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	<title>JOA Review Online</title>
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	<description>NPO法人日本オリンピック・アカデミー発行　Web版 JOAレビューのサイト</description>
	<pubDate>Thu, 19 Aug 2010 09:53:46 +0000</pubDate>
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		<title>ユースオリンピックと今後のオリンピック・ムーブメント</title>
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		<pubDate>Sun, 15 Aug 2010 14:54:38 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第7号]]></category>

		<category><![CDATA[第7号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[
執筆：桶谷敏之（嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター）
2010年8月、オリンピック・ムーブメントは新たな局面を迎えることになる。ユースオリンピック大会（YOG: Youth Olympic Games）の開幕である。これは14〜18歳のユースアスリートを対象に、スポーツと教育・文化を融合させ、正にオリンピック・ムーブメントが目指す活動を一つのイベント内で体現させようとする非常に野心的な試みであり、今後のオリンピック・ムーブメントを考える上で欠かせないエレメントになることは間違いないであろう。然るにその実情が今日に至るまでメディア等であまり報道されてこず、果たしてこのYOGがどのような大会なのかといったテクニカルな情報だけでなく、何故今ユースオリンピックなのかといった理念的な部分の周知も（少なくとも日本国内では）不充分なままきてしまったように思われる。そこでここでは、YOGが創設されるに至った経緯とこれから迎える第1回大会の特色などについて概略をまとめてみたい。
既に過去の報道でも伝えられたように、YOGは2007年7月のIOC総会（グアテマラ）にて創設が承認された。本人も認めているようにロゲ会長肝いりの企画である。この構想には「スクリーン文化」の悪影響により若者がスポーツから離れてしまっているという現状を打開し、何とか若者をスポーツに回帰させようという大きな目的がある。
その手始めとしてロゲ会長は、EOC（ヨーロッパ・オリンピック委員会）会長であった1991年にEurope Youth Olympic Festivalを創設した。これはヨーロッパの青少年を対象として、夏季、冬季それぞれが2年ごとに開催されるスポーツイベントで、創設者でもあるロゲ会長は現在も熱心に支援している。同種のイベントはシドニーオリンピックのレガシーとして、2001年より隔年で開催されているAustralian Youth Olympic Festivalが挙げられよう。これらの積み重ねがテクニカルな面を含め、IOCイベントとしてのYOG創設につながったといえる。
第1回ユースオリンピックの開催には実に11都市が名乗りを上げた。その後書類選考とビデオプレゼンテーションによる選考を経てモスクワとシンガポールがファイナリストとして選出され、2008年2月、IOC委員の郵便投票により栄えある史上初開催の権利はシンガポールへともたらされた。
さて、このYOGであるが、その特色は何といっても世界中から集結した次代のオリンピックヒーローらに文化教育プログラム（CEP）を体験させる点であろう。CEPは大きく分けて5つのテーマで構成されており、アスリートは競技の前後でこれに参加する。その内容をみると、座学ではなく体験学習や交流をメインにプログラムが組み立てられており、体を通してスポーツの価値、オリンピック・ムーブメントの意義を学べるよう配慮されている。
また競技の面では、男女混合種目や、NOC代表ではなく大陸ごとのチーム編成で行うものなど、スポーツを通した交流が自然と促されるような仕掛けが幾つか施されている。更にバスケットボールでは3 on 3を、サイクリングでは混合競技を実施するなど、オリンピックスポーツとしても新たな試みが実施され、IF側にとっても新たなオリンピックの姿を模索する大会となるであろう。
昨年JISSのイベントで講演されたシンガポール国立南洋理工大学（ここはシンガポールで選手村として利用される）のTeo-Koh Sock Miang博士は、「ユースオリンピックは全ての人にとってチャンスとなる大会としたい」とYOGの目指すビジョンを披露された。そのビジョンに従い、組織委員会は団長を含めた選手団役員もできるだけ若手を多く採用するようにNOCに依頼したそうである。なるほど、今回の日本選手団も全体的に若手の起用が目立ち、選手だけでなく若手役員の活躍の場にもなっているといえよう。
選手団だけではない。世界中の各NOCから推薦を受けて選出されたYoung Ambassador、各大陸NOC連合から選ばれたYoung ReporterもYOGの主役たちである。
IOCとしては、シンガポールに参加し、オリンピズムを身につけた若者たちが2012年ロンドン大会、あるいは2016年リオ大会でチャンピオンや大会を支える立場となり、その次の世代のロールモデルとして活躍することを期待しているに違いない。そういった好循環が生まれてくれば、オリンピック・ムーブメントがより深く、より実感できるかたちで社会に浸透していくことになるだろう。
以上のように、YOGの開催を通してかなり野心的な取り組みが行われるが、なかなかまとまって情報が発信されることがなく、特に新聞紙面などを通して折角の理念が周知しきれなかった点は否めない。通常オリンピックは7年の準備期間を経て開催されるものだが、今回組織委員会に与えられた時間はわずか2年半である。更にIOCにとっても初の試みであるため、組織委員会側も戦略的な国際PRがなかなか実現できなかったことに仕方のない面もあろう。もっとも、IOC、組織委員会双方ともホームページを通した情報発信にはかなり力を入れてきた。また、より若者に直にメッセージが届くようにとのIOC側のコミュニケーション戦略もあり、FacebookやYoutube、Twitterといったいわゆるソーシャルメディアを用いた情報発信はかなり積極的に行われてきた。今後こういった方向性はその他のオリンピック組織委員会にも引き継がれ、発展していくことは間違いない。
ところで、日本側としてはYOGがインターハイなど国内主要大会と日程が重なってしまうため、選手選考が相当に難しかったことと思う。今後YOGがオリンピックと密接に連動した大会となってくる場合、インターハイなど国内大会との関係性も再定義が求められるのではないだろうか。同じことは国際競技連盟主催の国際大会との関係性についてもいえる。
しかし、一番大きな課題はやはり言語であろう。現在の日本に英語を用いて支障なくコミュニケーションができる14~18歳のユースアスリートが果たして何人いるだろうか（まして仏語では・・・）。そのため、シンガポールでは組織委員会が現地在住の日本人などにサポートを依頼するなど、出来る限りの対策は講じている。我々としては寧ろこれを機会に外国語を含めたアスリートのコミュニケーション能力をユース世代から鍛えていく体制を整えるべきであろう。
来る8月14日に革新的な取り組みを詰め込んだ、史上初のYOGが開幕する（開会式は日本時間の20時30分スタート）。残念ながら日本でのテレビ放送はないようだが、ハイライトの映像はネット上にアップされるそうなのでぜひ確認されてはいかがだろうか。
参考サイト
・ CEPのイメージ
http://www.olympic.org/en/content/Media/?articleNewsGroup=-1&#38;articleId=95904
・ 五大陸のユース代表が歌う大会テーマソング
http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_multimedia/en_theme_song.html


 
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：桶谷敏之（嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター）</a></h4>
<p>2010年8月、オリンピック・ムーブメントは新たな局面を迎えることになる。ユースオリンピック大会（YOG: Youth Olympic Games）の開幕である。これは14〜18歳のユースアスリートを対象に、スポーツと教育・文化を融合させ、正にオリンピック・ムーブメントが目指す活動を一つのイベント内で体現させようとする非常に野心的な試みであり、今後のオリンピック・ムーブメントを考える上で欠かせないエレメントになることは間違いないであろう。然るにその実情が今日に至るまでメディア等であまり報道されてこず、果たしてこのYOGがどのような大会なのかといったテクニカルな情報だけでなく、何故今ユースオリンピックなのかといった理念的な部分の周知も（少なくとも日本国内では）不充分なままきてしまったように思われる。そこでここでは、YOGが創設されるに至った経緯とこれから迎える第1回大会の特色などについて概略をまとめてみたい。</p>
<p>既に過去の報道でも伝えられたように、YOGは2007年7月のIOC総会（グアテマラ）にて創設が承認された。<a href="http://www.olympic.org/en/content/Media/?articleNewsGroup=-1&amp;articleId=96176" target="_blank">本人も認めているようにロゲ会長肝いりの企画である。</a>この構想には「スクリーン文化」の悪影響により若者がスポーツから離れてしまっているという現状を打開し、何とか若者をスポーツに回帰させようという大きな目的がある。</p>
<p>その手始めとしてロゲ会長は、EOC（ヨーロッパ・オリンピック委員会）会長であった1991年にEurope Youth Olympic Festivalを創設した。これはヨーロッパの青少年を対象として、夏季、冬季それぞれが2年ごとに開催されるスポーツイベントで、創設者でもあるロゲ会長は現在も熱心に支援している。同種のイベントはシドニーオリンピックのレガシーとして、2001年より隔年で開催されているAustralian Youth Olympic Festivalが挙げられよう。これらの積み重ねがテクニカルな面を含め、IOCイベントとしてのYOG創設につながったといえる。</p>
<p>第1回ユースオリンピックの開催には実に11都市が名乗りを上げた。その後書類選考とビデオプレゼンテーションによる選考を経てモスクワとシンガポールがファイナリストとして選出され、2008年2月、IOC委員の郵便投票により栄えある史上初開催の権利はシンガポールへともたらされた。</p>
<p>さて、このYOGであるが、その特色は何といっても世界中から集結した次代のオリンピックヒーローらに文化教育プログラム（CEP）を体験させる点であろう。<a href="http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_culture_education/en_cep_athletes.html" target="_blank">CEPは大きく分けて5つのテーマで構成されており、アスリートは競技の前後でこれに参加する。</a>その内容をみると、座学ではなく体験学習や交流をメインにプログラムが組み立てられており、体を通してスポーツの価値、オリンピック・ムーブメントの意義を学べるよう配慮されている。</p>
<p>また競技の面では、男女混合種目や、NOC代表ではなく大陸ごとのチーム編成で行うものなど、スポーツを通した交流が自然と促されるような仕掛けが幾つか施されている。更にバスケットボールでは3 on 3を、サイクリングでは混合競技を実施するなど、オリンピックスポーツとしても新たな試みが実施され、IF側にとっても新たなオリンピックの姿を模索する大会となるであろう。</p>
<p>昨年JISSのイベントで講演されたシンガポール国立南洋理工大学（ここはシンガポールで選手村として利用される）のTeo-Koh Sock Miang博士は、「ユースオリンピックは全ての人にとってチャンスとなる大会としたい」とYOGの目指すビジョンを披露された。そのビジョンに従い、組織委員会は団長を含めた選手団役員もできるだけ若手を多く採用するようにNOCに依頼したそうである。なるほど、<a href="http://www.joc.or.jp/int_games/youth_olympic/2010/pdf/member_all.pdf" target="_blank">今回の日本選手団</a>も全体的に若手の起用が目立ち、選手だけでなく若手役員の活躍の場にもなっているといえよう。</p>
<p>選手団だけではない。世界中の各NOCから推薦を受けて選出された<a href="http://www.olympic.org/en/content/YOG/Participants/Search-Results/?type=2&amp;event=&amp;sport=" target="_blank">Young Ambassador</a>、各大陸NOC連合から選ばれた<a href="http://www.olympic.org/en/content/Media/?articleNewsGroup=-1&amp;articleId=92042" target="_blank">Young Reporter</a>もYOGの主役たちである。</p>
<p>IOCとしては、シンガポールに参加し、オリンピズムを身につけた若者たちが2012年ロンドン大会、あるいは2016年リオ大会でチャンピオンや大会を支える立場となり、その次の世代のロールモデルとして活躍することを期待しているに違いない。そういった好循環が生まれてくれば、オリンピック・ムーブメントがより深く、より実感できるかたちで社会に浸透していくことになるだろう。</p>
<p>以上のように、YOGの開催を通してかなり野心的な取り組みが行われるが、なかなかまとまって情報が発信されることがなく、特に新聞紙面などを通して折角の理念が周知しきれなかった点は否めない。通常オリンピックは7年の準備期間を経て開催されるものだが、今回組織委員会に与えられた時間はわずか2年半である。更にIOCにとっても初の試みであるため、組織委員会側も戦略的な国際PRがなかなか実現できなかったことに仕方のない面もあろう。もっとも、<a href="http://www.olympic.org/en/content/YOG/" target="_blank">IOC</a>、<a href="http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en.html" target="_blank">組織委員会</a>双方ともホームページを通した情報発信にはかなり力を入れてきた。また、より若者に直にメッセージが届くようにとのIOC側のコミュニケーション戦略もあり、<a href="http://www.facebook.com/youtholympicgames" target="_blank">Facebook</a>や<a href="http://www.youtube.com/olympicsingapore2010" target="_blank">Youtube</a>、<a href="http://twitter.com/youtholympics" target="_blank">Twitter</a>といったいわゆるソーシャルメディアを用いた情報発信はかなり積極的に行われてきた。今後こういった方向性はその他のオリンピック組織委員会にも引き継がれ、発展していくことは間違いない。</p>
<p>ところで、日本側としてはYOGがインターハイなど国内主要大会と日程が重なってしまうため、選手選考が相当に難しかったことと思う。今後YOGがオリンピックと密接に連動した大会となってくる場合、インターハイなど国内大会との関係性も再定義が求められるのではないだろうか。同じことは国際競技連盟主催の国際大会との関係性についてもいえる。</p>
<p>しかし、一番大きな課題はやはり言語であろう。現在の日本に英語を用いて支障なくコミュニケーションができる14~18歳のユースアスリートが果たして何人いるだろうか（まして仏語では・・・）。そのため、シンガポールでは組織委員会が現地在住の日本人などにサポートを依頼するなど、出来る限りの対策は講じている。我々としては寧ろこれを機会に外国語を含めたアスリートのコミュニケーション能力をユース世代から鍛えていく体制を整えるべきであろう。</p>
<p>来る8月14日に革新的な取り組みを詰め込んだ、史上初のYOGが開幕する（開会式は日本時間の20時30分スタート）。残念ながら日本でのテレビ放送はないようだが、ハイライトの映像は<a href="http://www.youtholympicgames.org/" target="_blank">ネット</a>上にアップされるそうなのでぜひ確認されてはいかがだろうか。</p>
<p>参考サイト</p>
<p><strong><span style="font-weight: normal;">・ CEPのイメージ<br />
<a href="http://www.olympic.org/en/content/Media/?articleNewsGroup=-1&amp;articleId=95904" target="_blank">http://www.olympic.org/en/content/Media/?articleNewsGroup=-1&amp;articleId=95904</a><br />
・ 五大陸のユース代表が歌う大会テーマソング<br />
<a href="http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_multimedia/en_theme_song.html" target="_blank">http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_multimedia/en_theme_song.html</a></span></strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal;"><strong><br />
</strong></span></strong></p>
<p><strong> </strong></p>
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		<title>ユース五輪（YOG）の文化·教育プログラム： メダルではない真の価値を求めて</title>
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		<pubDate>Sun, 15 Aug 2010 14:27:35 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第7号]]></category>

		<category><![CDATA[第7号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[
執筆：衣笠泰介（シンガポールスポーツスクール）
ユース五輪とは
今年2010年8月、シンガポールにて第一回夏季ユース五輪（以下YOGとする）が開催される。YOGのコンセプトは2007年7月6日にグアテマラシティでの国際オリンピック委員会（IOC）総会にて、ジャック・ロゲ会長が明らかにした。ロゲ会長は若者のスポーツ離れや体力の低下による健康不全や肥満の問題を打開するため、若者にもオリンピックを体験させようと発案し、IOC委員もその提案を了承した。
YOGは世界中の14歳から18歳までのエリートユース選手約3,500人が26競技に参加するが、一番の特徴は若者へ多岐の文化·教育プログラムが行われることだ。そこには「競技の場というより、オリンピック教育を重視したい」（en.beijing2008.cn/50/19/article214041950.shtml）という IOCロゲ会長の強い思いがある。そこで、オリンピックバリューである卓越、友情、尊敬がYOGの文化·教育プログラム（Culture and Education Programme,以下CEPとする）にどう組み込まれているかを紹介していく。
YOGの文化·教育プログラムの内容
YOG大会前にはユーススポーツカンファレンスやユースキャンプ、親善大使プログラムなど（http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_culture_education.html）が行われ、大会期間中には目玉としてCEPがある。CEPは、オリンピックバリューを包括的に理解すること、具体化すること、表現することを目的として、５つのオリンピック教育のテーマを掲げる。
1．オリンピズム：エキシビジョンや様々な活動を通して近代オリンピックの起源や思想、仕組み、発展について学ぶ
2．スキルの発達：ワークショップを通して自己啓発や人生の移行期のマネジメントを含めたプロスポーツ選手としてのキャリアを学ぶ
3．健康なライフスタイル：ワークショップやエキシビジョンにて健全な食生活やストレスマネジメント、アンチドーピングを学ぶ
4．社会的責任：地球市民として環境問題や持続可能な社会、社会における人間関係について学ぶ
5．表現力：デジタルメディアや選手村でのフェスティバルを通してコミュニケーションを学ぶ
これらのテーマを基に以下の7つの形式で、50を越す楽しくインタラクティブなプログラムが用意されている。
1．チャンピオンたちとの会話：オリンピアンと会話をしながら競技生活やオリンピックバリューなどを学ぶ機会
2．ディスカバリー活動：エキシビジョンやゲームを通してボードゲームでの発見や栄養の知識などを問う機会
3．世界文化村：参加国２０５の国々の文化をブースで紹介して多様な文化を称える機会
4．コミュニティ活動：社会的責任の観点からコミュニティにどう還元できるかを考える機会
5．芸術と文化：ダンスパフォーマンスや芸術作品の展示などで芸術と文化について考える機会
6．島での冒険：島全体を使ってのチームビルディングでお互いを尊重し合うこと、友情を学ぶ機会
7．野外調査：公園や貯水池を訪れ、環境問題や持続可能な社会について考える機会
12日間の大会期間中、上記の6と7以外の多くの活動は、選手村において30－60分間単位で行われる。6と7の野外活動は各自の競技終了後などの自由時間に半日もしくは1日参加が可能。YOG組織委員会はCEPを有意義なものにするため、選手への参加賞や特別に表彰するなどプロモーションを積極的に行う予定だ。また選手だけでなく、コーチや一般人もCEPを体験できるプログラムもある。最終的にすべての参加者が競技、文化、教育のプログラムに満足し、若者にスポーツを通して生きがいを見つけてもらうのがYOG組織委員会のねらいだ。
提言
YOGは「競技、文化、教育」の均整のとれた国際イベントとなるだろう。その中でもCEPはIOCの新しい試みであり、YOGの持つ可能性は計り知れない。ここでJOAとして積極的にどう貢献できるかを考えていく必要性がある。選手村の日本ブースにおける日本のオリンピック教育の紹介、次回YOGでのCEPワークショップへの提案、若者にオリンピックバリューやスポーツの面白さを学習及び体験できるYOGラーニングセンター（http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_about_us/en_yog_learning_centre.html）のような施設の設立などが挙げられるだろう。一方で、若者やコーチに対して全中やインターハイなど国内大会だけに目を向けるのではなく、YOGへの参加がグローバルな視野に立った国際人育成につながるというメッセージを伝えていくことも重要だ。YOG参加者のオリンピアンが次世代のリーダーとなり、オリンピックムーブメントを広めることで、彼ら自身がレガシーになっていくのではないか。
私がシンガポールで働き出したのが2004年のころ。2008年2月IOCロゲ会長の口から「YOG第一回開催地はシンガポール！」と発表された時はそこに居合わせていて、その感動を今でもよく覚えている。つくづく思うがオリンピックには人々に夢を与えたり、感動させるパワーがある。YOGがその最大の檜舞台となるかどうかはまだ分からない。だが若者の勝利至上主義やオリンピックバリューなどをYOGを通じて見直すいい機会になればと切に願う。オリンピックのメダルではない真の価値を求めて．．．
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：衣笠泰介（シンガポールスポーツスクール）</a></h4>
<p><strong>ユース五輪とは</strong></p>
<p>今年2010年8月、シンガポールにて第一回夏季ユース五輪（以下YOGとする）が開催される。YOGのコンセプトは2007年7月6日にグアテマラシティでの国際オリンピック委員会（IOC）総会にて、ジャック・ロゲ会長が明らかにした。ロゲ会長は若者のスポーツ離れや体力の低下による健康不全や肥満の問題を打開するため、若者にもオリンピックを体験させようと発案し、IOC委員もその提案を了承した。</p>
<p>YOGは世界中の14歳から18歳までのエリートユース選手約3,500人が26競技に参加するが、一番の特徴は若者へ多岐の文化·教育プログラムが行われることだ。そこには「競技の場というより、オリンピック教育を重視したい」（en.beijing2008.cn/50/19/article214041950.shtml）という IOCロゲ会長の強い思いがある。そこで、オリンピックバリューである卓越、友情、尊敬がYOGの文化·教育プログラム（Culture and Education Programme,以下CEPとする）にどう組み込まれているかを紹介していく。</p>
<p><strong>YOGの文化·教育プログラムの内容</strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal;">YOG大会前にはユーススポーツカンファレンスやユースキャンプ、親善大使プログラムなど（<a href="http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_culture_education.html" target="_blank">http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_culture_education.html</a>）が行われ、大会期間中には目玉としてCEPがある。CEPは、オリンピックバリューを包括的に理解すること、具体化すること、表現することを目的として、５つのオリンピック教育のテーマを掲げる。<br />
1．オリンピズム：エキシビジョンや様々な活動を通して近代オリンピックの起源や思想、仕組み、発展について学ぶ<br />
2．スキルの発達：ワークショップを通して自己啓発や人生の移行期のマネジメントを含めたプロスポーツ選手としてのキャリアを学ぶ<br />
3．健康なライフスタイル：ワークショップやエキシビジョンにて健全な食生活やストレスマネジメント、アンチドーピングを学ぶ<br />
4．社会的責任：地球市民として環境問題や持続可能な社会、社会における人間関係について学ぶ<br />
5．表現力：デジタルメディアや選手村でのフェスティバルを通してコミュニケーションを学ぶ</span></strong></p>
<p>これらのテーマを基に以下の7つの形式で、50を越す楽しくインタラクティブなプログラムが用意されている。<br />
1．チャンピオンたちとの会話：オリンピアンと会話をしながら競技生活やオリンピックバリューなどを学ぶ機会<br />
2．ディスカバリー活動：エキシビジョンやゲームを通してボードゲームでの発見や栄養の知識などを問う機会<br />
3．世界文化村：参加国２０５の国々の文化をブースで紹介して多様な文化を称える機会<br />
4．コミュニティ活動：社会的責任の観点からコミュニティにどう還元できるかを考える機会<br />
5．芸術と文化：ダンスパフォーマンスや芸術作品の展示などで芸術と文化について考える機会<br />
6．島での冒険：島全体を使ってのチームビルディングでお互いを尊重し合うこと、友情を学ぶ機会<br />
7．野外調査：公園や貯水池を訪れ、環境問題や持続可能な社会について考える機会</p>
<p>12日間の大会期間中、上記の6と7以外の多くの活動は、選手村において30－60分間単位で行われる。6と7の野外活動は各自の競技終了後などの自由時間に半日もしくは1日参加が可能。YOG組織委員会はCEPを有意義なものにするため、選手への参加賞や特別に表彰するなどプロモーションを積極的に行う予定だ。また選手だけでなく、コーチや一般人もCEPを体験できるプログラムもある。最終的にすべての参加者が競技、文化、教育のプログラムに満足し、若者にスポーツを通して生きがいを見つけてもらうのがYOG組織委員会のねらいだ。</p>
<p><strong>提言</strong></p>
<p><strong></strong>YOGは「競技、文化、教育」の均整のとれた国際イベントとなるだろう。その中でもCEPはIOCの新しい試みであり、YOGの持つ可能性は計り知れない。ここでJOAとして積極的にどう貢献できるかを考えていく必要性がある。選手村の日本ブースにおける日本のオリンピック教育の紹介、次回YOGでのCEPワークショップへの提案、若者にオリンピックバリューやスポーツの面白さを学習及び体験できるYOGラーニングセンター（<a href="http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_about_us/en_yog_learning_centre.html" target="_blank">http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en/en_about_us/en_yog_learning_centre.html</a>）のような施設の設立などが挙げられるだろう。一方で、若者やコーチに対して全中やインターハイなど国内大会だけに目を向けるのではなく、YOGへの参加がグローバルな視野に立った国際人育成につながるというメッセージを伝えていくことも重要だ。YOG参加者のオリンピアンが次世代のリーダーとなり、オリンピックムーブメントを広めることで、彼ら自身がレガシーになっていくのではないか。</p>
<p>私がシンガポールで働き出したのが2004年のころ。2008年2月IOCロゲ会長の口から「YOG第一回開催地はシンガポール！」と発表された時はそこに居合わせていて、その感動を今でもよく覚えている。つくづく思うがオリンピックには人々に夢を与えたり、感動させるパワーがある。YOGがその最大の檜舞台となるかどうかはまだ分からない。だが若者の勝利至上主義やオリンピックバリューなどをYOGを通じて見直すいい機会になればと切に願う。オリンピックのメダルではない真の価値を求めて．．．</p>
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		<item>
		<title>クーベルタンの青年教育：世界の分析から相互敬愛へ</title>
		<link>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=373</link>
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		<pubDate>Sun, 15 Aug 2010 14:16:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第7号]]></category>

		<category><![CDATA[第7号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[
執筆：和田浩一（神戸松蔭女子学院大学）
「オリンピズムは私の仕事の一部に過ぎない」

これは、ピエール・ド・クーベルタン（1963-1937）が晩年に書き綴った言葉です。私たちはクーベルタンを近代オリンピックの創始者として見てしまいがちですが、彼自身、この仕事は「半分程度のものだ」と言っています。これは一体、どういうことなのでしょうか。
1896年にギリシャのアテネで幕を開けたとき、近代オリンピック大会は十数か国の参加しかなく、しかもこれらは欧米の一部の国々に限られていました。しかし、クーベルタンが生涯を閉じる直前に開かれたベルリン大会（1936年）は、日本を含め、50以上の国々が参加する一大国際イベントとなっていました。数の上から言えば、オリンピック大会は成功を収めており、クーベルタンの仕事に合格点を与えても差し支えないと言えるでしょう。
クーベルタンが情熱を傾けていた残り半分の仕事とは、教育改革のことでした。『イギリスの教育』（1888年）を皮切りに、クーベルタンは20冊以上の著書を世に出していますが、そのほとんどは教育改革にかかわるものだったのです。
注目したいのは、IOC会長職時代に著した『体育：実用的ジムナスティーク』（1905年）、『知育：世界の分析』（1912年）、『徳育：相互敬愛』（1915年）の三冊です。ハーバード・スペンサー（1820-1903）が示した三育（体育・知育・徳育）に対応するこれらの著書は、「20世紀の青年教育」シリーズの三部作として位置づけられています。ヨーロッパの古い都市には、その顔とでも言うべき中心的な広場が必ずあります。クーベルタンは教育改革の中心的な広場に、青年たちの姿を見ていたのです。
オリンピックは私たちに、スポーツを通して自分をより向上させようと努力するところに「体育」的な価値があると教えてくれます。しかし、「知育」「徳育」の領域でクーベルタンが訴えようとしたこと、すなわち「他国の理解（世界の分析）が世界平和（相互敬愛）につながる」という考えは、現在の私たちにはまだ、しっかりと根付いていないように思えます。
この「世界の分析から相互敬愛へ」ということこそが、クーベルタンが一生かかって追い求め続けた教育改革の中心的なテーマでした。オリンピックの復興が決まった年、クーベルタンはアテネで次のように発言しています。
「他人・他国への無知は人々に憎しみを抱かせ、誤解を積み重ねさせます。さらには、様々な出来事を、戦争という野蛮な進路に情け容赦なく向かわせてしまいます。（しかし、）このような無知は、オリンピックで若者たちが出会うことによって徐々に消えていくでしょう。彼（女）たちは、互いに関わり合いながら生きているということを認識するようになるのです」（1894年）
 クーベルタンが訴えたかったのは、互いに理解し合うことができれば、世界中の人々は互いに尊敬し合うことができ、戦争は起こらないということです。だからこそクーベルタンは、世界中の青年たちが相互に接触し合う機会として近代オリンピックの制度を創ったのです。
「新しいスタジアムに現れる健全な民主主義、賢明かつ平和を愛する国際主義は、名誉と無私への崇拝をその場で支えることでしょう。こうした崇拝の念に助けられて、競技スポーツは筋肉を鍛えるという務めだけでなく、道徳心の改善や社会平和として行動することができるでしょう。このような訳で、復興されたオリンピックは４年ごとに、世界中の若者たちに対して幸福と博愛に満ちた出会いの場を提供しなければならないのです」（1894年）
 繰り返しになりますが、現在のオリンピックはすでに、世界の若者の「筋肉を鍛えるという務め」を十分に果たしています。しかし、「相互敬愛」の感情を高め合い、「道徳心」を改善し、「社会平和」を見据えて自ら行動できる若者たちを、今のオリンピックは育成していると言えるでしょうか。
 2010年8月14日から26日まで、青少年のためのオリンピック教育を目的に掲げた「ユースオリンピック」の記念すべき第１回大会が、シンガポールで開かれます。第１回アテネ大会（1896年）の前にクーベルタンが語った前述の言葉を、第１回ユースオリンピック大会を目前に控えた全世界のみなさんに贈りたいと思います。
 クーベルタンは自分の仕事のことを「未完成交響曲」と呼びました。シンガポールにおいて彼が望んだ教育改革への第一歩が踏み出されれば、ユースオリンピックは「交響曲」となり、全世界で末永く演奏されていくに違いありません。

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：和田浩一（神戸松蔭女子学院大学）</a></h4>
<p><strong>「オリンピズムは私の仕事の一部に過ぎない」<br />
</strong></p>
<p>これは、ピエール・ド・クーベルタン（1963-1937）が晩年に書き綴った言葉です。私たちはクーベルタンを近代オリンピックの創始者として見てしまいがちですが、彼自身、この仕事は「半分程度のものだ」と言っています。これは一体、どういうことなのでしょうか。<br />
1896年にギリシャのアテネで幕を開けたとき、近代オリンピック大会は十数か国の参加しかなく、しかもこれらは欧米の一部の国々に限られていました。しかし、クーベルタンが生涯を閉じる直前に開かれたベルリン大会（1936年）は、日本を含め、50以上の国々が参加する一大国際イベントとなっていました。数の上から言えば、オリンピック大会は成功を収めており、クーベルタンの仕事に合格点を与えても差し支えないと言えるでしょう。<br />
クーベルタンが情熱を傾けていた残り半分の仕事とは、教育改革のことでした。『イギリスの教育』（1888年）を皮切りに、クーベルタンは20冊以上の著書を世に出していますが、そのほとんどは教育改革にかかわるものだったのです。<br />
注目したいのは、IOC会長職時代に著した『体育：実用的ジムナスティーク』（1905年）、『知育：世界の分析』（1912年）、『徳育：相互敬愛』（1915年）の三冊です。ハーバード・スペンサー（1820-1903）が示した三育（体育・知育・徳育）に対応するこれらの著書は、「20世紀の青年教育」シリーズの三部作として位置づけられています。ヨーロッパの古い都市には、その顔とでも言うべき中心的な広場が必ずあります。クーベルタンは教育改革の中心的な広場に、青年たちの姿を見ていたのです。<br />
オリンピックは私たちに、スポーツを通して自分をより向上させようと努力するところに「体育」的な価値があると教えてくれます。しかし、「知育」「徳育」の領域でクーベルタンが訴えようとしたこと、すなわち「他国の理解（世界の分析）が世界平和（相互敬愛）につながる」という考えは、現在の私たちにはまだ、しっかりと根付いていないように思えます。<br />
この「世界の分析から相互敬愛へ」ということこそが、クーベルタンが一生かかって追い求め続けた教育改革の中心的なテーマでした。オリンピックの復興が決まった年、クーベルタンはアテネで次のように発言しています。</p>
<p><strong><span style="font-weight: normal;">「他人・他国への無知は人々に憎しみを抱かせ、誤解を積み重ねさせます。さらには、様々な出来事を、戦争という野蛮な進路に情け容赦なく向かわせてしまいます。（しかし、）このような無知は、オリンピックで若者たちが出会うことによって徐々に消えていくでしょう。彼（女）たちは、互いに関わり合いながら生きているということを認識するようになるのです」（1894年）</span></p>
<p><span style="font-weight: normal;"> クーベルタンが訴えたかったのは、互いに理解し合うことができれば、世界中の人々は互いに尊敬し合うことができ、戦争は起こらないということです。だからこそクーベルタンは、世界中の青年たちが相互に接触し合う機会として近代オリンピックの制度を創ったのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal;">「新しいスタジアムに現れる健全な民主主義、賢明かつ平和を愛する国際主義は、名誉と無私への崇拝をその場で支えることでしょう。こうした崇拝の念に助けられて、競技スポーツは筋肉を鍛えるという務めだけでなく、道徳心の改善や社会平和として行動することができるでしょう。このような訳で、復興されたオリンピックは４年ごとに、世界中の若者たちに対して幸福と博愛に満ちた出会いの場を提供しなければならないのです」（1894年）</span></p>
<p><span style="font-weight: normal;"> 繰り返しになりますが、現在のオリンピックはすでに、世界の若者の「筋肉を鍛えるという務め」を十分に果たしています。しかし、「相互敬愛」の感情を高め合い、「道徳心」を改善し、「社会平和」を見据えて自ら行動できる若者たちを、今のオリンピックは育成していると言えるでしょうか。<br />
</span><span style="font-weight: normal;"> 2010年8月14日から26日まで、青少年のためのオリンピック教育を目的に掲げた「ユースオリンピック」の記念すべき第１回大会が、シンガポールで開かれます。第１回アテネ大会（1896年）の前にクーベルタンが語った前述の言葉を、第１回ユースオリンピック大会を目前に控えた全世界のみなさんに贈りたいと思います。<br />
</span><span style="font-weight: normal;"> クーベルタンは自分の仕事のことを「未完成交響曲」と呼びました。シンガポールにおいて彼が望んだ教育改革への第一歩が踏み出されれば、ユースオリンピックは「交響曲」となり、全世界で末永く演奏されていくに違いありません。</span></p>
<p></strong></p>
]]></content:encoded>
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		<title>ユースオリンピック競技大会におけるNOCとNOAの役割</title>
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		<pubDate>Sun, 15 Aug 2010 14:11:08 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第7号]]></category>

		<category><![CDATA[第7号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[ 


ジーン・サットン博士
翻訳・要約：和田　恵子

 
〔第10回NOA理事者セッション（2009年5月6～13日）ギリシャ、オリンピアにおける故ジーン・サットン博士の講演〕
はじめに
本稿では、ユースオリンピック競技大会(YOG)において国内オリンピック委員会(NOC)と国内オリンピック・アカデミー（NOA)が果たす役割、YOGに課せられた任務と組織の概要及び大会のスポーツ、教育、文化の各プログラム、YOG、NOC、NOAそれぞれの目標、戦略的方向性、課題を比較し概説する。最後に、NOC及びYOGに対するNOAの役割の拡大について提案を行いたい。
1．世界の若者をオリンピック・ムーブメントに関わらせる
（1）ユースオリンピック競技大会(YOG)
ユースオリンピック競技大会の開催は、オリンピック憲章に掲げられたIOCの使命、すなわち「オリンピズムを世界中に広め、オリンピック・ムーブメントを指導すること」に応える絶好の機会であることは間違いない。
ジャック・ロゲIOC会長は次のように語っている「ユースオリンピック競技大会の創設は、今日と未来の若者に対するIOCのコミットメントが言葉だけに終わることなく実行されようとしていること、そして、オリンピック競技大会の精神に基づき、若者独自のイベントが若者自身の手によって提供されようとしていることを示している。YOGは、若きアスリートたちの健康を守るべく慎重に選ばれた競技種目による、まさに若者のための革新的な競技大会となるのみならず、聖火リレーや賛歌、旗といったオリンピック・シンボルにより、若者達を奮い立たせる大会となるだろう」
IOCは各国のオリンピック委員会がオリンピック競技大会と全く同じ役割を果たすことを義務付けている。IOCは、全205の国内オリンピック委員会から選ばれた3500名のアスリート及び役員がYOGのスポーツ、文化、教育プログラムに参加することを保証し、YOGにおける普遍性の原則の実現を図る。また、オリンピック同様、年齢区分及び資格基準をはじめとする競技の技術面は国際競技連盟（IF）が担当する。
オリンピック競技大会との大きな違いは、YOGには教育及び文化的な活動が含まれることであろう。IOCは、若者の身体活動やスポーツへの参加が世界的なレベルで減少するのに伴い、オリンピック・ムーブメントへの若者の関与も減少していると見ている。YOGはしたがって、今日の若者のニーズに対応し、次世代のオリンピックファンの関心を引きつけるような構成となっている。
この目的に向けて、2010年ユースオリンピック競技大会(YOG)では、オリンピズムやその関連する価値に若いアスリート達に関心を持たせようと、楽しい様々な文化・教育プログラム（CEP）を組む。著名なオリンピック･チャンピオンや、スポーツ、教育、文化の各分野から国際的な専門家や世界レベルの著名人らによってワークショップが催される。CEPはまた、出身コミュニティのスポーツ大使としてのYOGの選手たちの役割を検討するとともに、健康的なライフスタイルがもたらす恩恵やドーピングとの闘いといった重要課題への意識を喚起する。YOGシンガポール2010では文化プログラムとして、会場とインターネット上で若者が音楽や映画、アートを楽しむ都市型ストリート文化フェスティバルが開催される。このフェスティバルはYOG組織委員会が行うが、カナダ・オリンピック委員会など、いくつかのNOCでは、それぞれ既存の文化・教育プログラムの内容に関してシンガポールYOGOCから助言を求められている。こういった内外のリソースを活用する努力は、障壁を取り除いた国際協力の精神へのコミットメントを実証するものである。
（2）共通の目的
YOG、各国NOC、NOAの方向性には多くの類似点が見られる。YOGのビジョン、すなわち世界中の若者にスポーツへの参加とオリンピックの価値への理解を喚起すること、そしてYOGの指名、すなわち若者が出身コミュニティにおいて積極的な役割を果たすよう教育し、関心をもたせ、働きかけることは、3つの組織がその共通の目的の実現のために協力を促す上で論理的根拠を備えている。
YOGの目的は、世界の若者が集うことで多様な文化を共に経験し、祝い、世界中のコミュニティに呼びかけ、スポーツへの関心と参加を喚起することにある。多くのNOCでは、若者のオリンピック・ムーブメントへの関与を促し、身体活動の減少に対応している。YOGの活動と、NOCやNOAの教育プログラムを関連付けることは、すべての若者にスポーツへの参加を促す可能性を秘めている。そのようなプログラムの例として、カナダ・オリンピック委員会のNOC公認アスリート（Adopt-An-Athlete）プログラムや、エストニアNOAのスクール・オリンピック競技大会（School Olympic Games）、オーストラリアのピエール・ド・クーベルタン賞制度、及び多くの国々で実施されているオリンピックデーランが挙げられる。ユースオリンピック競技大会のスポーツ、文化、教育活動をモデルとして新たな学校プログラムを計画することが可能である。
2.達成に向けた課題
YOGOCとNOAが共有しているのは目標だけではない。課題も共有している。一つには、従来型のスポーツに特化されたイベントに重要な教育の要素を加えることである。この課題は、興味深く刺激的な学習活動の取り組みを創造することにある。現代の若者を動かすには、テクノロジーを活用した対話型の教育方法を取り入れなければならない。NOCは、YOGワークショップやフォーラムにアスリートが進んで参加し、何かを学んでこられるよう準備をさせなくてはならない。YOGは、参加者がIOCオリンピック・バリュー教育プロジェクト(OVEP)を学び、OVEPプログラムのツールキットを活用して地元で指導的役割を果たすための絶好の機会を提供する。NOAもまた、効果の高い教育活動をYOGOCに提示することで重要な役割を果たすことができる。
第二の課題は、オリンピック・ムーブメントの価値を、成果主義の制度や成果重視の環境の中に関連づけることである。表彰台に立つという卓越性とオリンピックの価値の実践という2つのコミットメントの二元性は、IOCとNOC双方が表彰台とオリンピックの価値を両立させる必要性を示している。
課題はほかにもある。資金調達は大きな懸案事項である。多くのNOCは、YOGにチームを派遣するための財政支援を準備するために四苦八苦している。経済危機のなか、スポンサー契約を確保することは難しい。北半球の国々にとっての大きな問題は、2010年YOGのタイミングだ。YOG期間中は学校が学期外で、活発な学校プログラムと連携しにくい。そのため初開催のYOGにおいてCEP(文化・教育プログラム)に基づくコミュニケーションは限定され、 NOCとNOAがYOGで果たせる役割は明確でない。
3.新たな機会
YOGプログラムに文化・教育活動を含めることにより、参加アスリートがオリンピズムの考え方を理解し、オリンピック教育を経験する機会を得る。オリンピック競技大会における従来のスポーツプログラムは、選手村の環境を活用した教育・文化活動の機会を逸していた。多くのオリンピック・アスリートがオリンピズムの本当の意味を理解したのは、オリンピック競技大会以外の時期や場所だったという。
YOGは、大会期間中は選手村で過ごすことをアスリートに要求することをはじめ、オリンピズムの理解を含めて競技大会経験を最大限に生かすことを目指す。成果と卓越性に重点を置くが、記録は残さない。アスリートは他の競技について学び、他の競技や外国の仲間と友情を築く機会を持つ。YOGは文化・教育プログラムを強制とするのではなく、魅力あるものにするほうを選んだ。一部の教育・文化活動にはアスリート以外の若者が参加し、オリンピック・ムーブメントの一翼を担うには選り抜きのアスリートである必要はないことを示す。YOG輸送システムは、資格認定を受けた全員に共通のシャトルサービスを提供し、アスリートとそれ以外の人たちを区別しない。
4.YOGの約束を最大活用する
NOCは、大会前、大会中、大会後の３つの段階でYOG参加アスリートと緊密に連携し、競技会場の内外で最適なオリンピック経験が可能となるよう準備を整えるための機会を広げなくてはならない。
（1）大会前
大会前、NOCとNOAは協力してYOGアスリートのためのオリエンテーション･セッションを開発すべきである。開発に当たっては、オリンピック・ムーブメントの歴史、オリンピックの価値、ドーピング、社会的責任、スポーツキャリアなどYOG教育ワークショップが示すトピックの紹介をセッションに含める。セッションは対話型とし、アスリートに「話す」「聴く」「討議する」といったコミュニケーション・スキルを身につける機会を提供する。リーダーシップ・トレーニングのほか、言語などの文化的な障壁を克服したり異なる習慣を尊重するための戦略も必要となるだろう。競技大会参加を前に、国が異なるアスリートどうしの交流を図るため、アスリートの所属する学校間で姉妹校関係を結ぶことも考えられる。YOGに参加するアスリートには、大会前にブログを開設して大会中も更新するよう働きかける。NOCやNOAは、必要であればブログ開設を手助けし、IOCのブログ･ガイドラインをアスリートに学ばせる。
（2）大会期間中
NOCとNOAは大会が始まったら、多くの関心が集まるようアスリートが自分のメッセージを発信したり、現地でどんな経験をしているかについて出身国に報告する。ただし、アスリートに負担をかけないような仕組み、ガイダンス、サポートをNOC･NOAは提供しなくてはならない。YOG開催中は、競技そのものと出身コミュニティとの関わりとのバランスを取る必要があることを念頭に置くことが大切だ。したがって、アスリートが利用している媒体を通じて接触を図り、話をすることが望ましい。アスリートはブログを通して個別にコミュニケーションをとることができる。YOGアスリートのブログを各NOCのウェブサイトで紹介することも一案だ。大会期間中、参加者たちもまた会場のインターネットセンターに設置された電子通信機器を使って出身コミュニティと自分たちの経験を共有することが可能になる。
現代のアスリートたちは、電子メール、ブログ、ソーシャルネットワークなどを自由に使いこなしてはいるが、NOAやNOCは本人が作ったコンテンツをサポートすることが望ましい。YOGユースレポーターには、そうしたサポート役を担ってもらうこともできるだろう。また、IOCが定めるブログ・ガイドラインを順守させる役目も果たすことができる。外部と対話型で進むワークショップは、選手村の垣根を超えて若者を参加させる。NOCとNOAは、大会期間中ネットワーク上にアカデミー・プログラムを開設したり、対話型の教育フォーラムを開催したりすることができる。
205のNOCのうち、国内オリンピック・アカデミーがあるのは137だけである。活発なNOAのある国は、NOAを持たない国からアスリート、コーチ、役員が参加できるようなアカデミーを設立するためのワークショップを主導すれば、これもまたYOG教育プログラムとなる。ワークショップに参加すれば、アカデミー・プログラムを始めるための指導力と知識を地元に持ち帰ることができる。
（3）競技大会後
IOCは、オリンピック競技大会が若い世代との関係を維持する必要性を認識しており、若年者向けプロジェクトの開発・実施するうえで強い指導力を示している。こうしたプロジェクトには、夏季・冬季のユースオリンピック競技大会、オリンピック・バリュー教育プロジェクト(OVEP)、スポーツ経験を共有するための若者専用ウェブサイト、国内オリンピック委員会オリンピックデーランに対する支援の強化などがある。NOCとNOAはこうした取り組みに資金を提供し、オリンピック・ムーブメント及びオリンピックの価値に対する意識の向上に若者を従事させている取組みを支援すべきである。
卓越性、尊重、友愛といったオリンピックの価値、またスポーツへの道徳的な取り組み方を学んだ新世代の若きアスリート・リーダーたちは、YOGのレガシーとなる。そんなYOGアスリートたちは、学校や若者グループに対し、活動的で健康的なライフスタイルを取り入れ、オリンピック精神を守るよう働きかける上で優れたロールモデルとなる。各NOC及びNOAは、教育プログラムの実施状況を監督し、YOGで若者を教育する際に、IOCが始めたこのYOGという投資を利用できる。こうしたプログラムは、YOG参加者が率先して競技大会の参加者以外にも広げていくべきである。
5.結論と提案
ユースオリンピック(YOG)の大会前、期間中、大会後にNOCとNOAが果たす役割は極めて大きい。ユースオリンピック競技大会組織委員会（YOGOC）、NOC及びNOAはすべて、ユースオリンピック競技大会という絶好の機会に、若者にオリンピック・ムーブメントを理解させるための教育・文化プログラムを展開すべきである。
YOGOC、NOC及びNOAが強力な関係を築くために以下を提案したい。
1.	NOC及びNOAは競技大会前、教育・文化プログラムに基づきYOGアスリートの教育にあたって積極的な役割を担い、アスリートが競技の内外で可能な限り最高の経験をするよう努める。
2.	NOC及びNOAは共同で、YOGアスリートを対象にした事前のオリエンテーションを計画・実施する。NOAは教育・文化プログラムの分野で経験と専門知識を持っており、指導的役割を担うことができる。
3. 	NOC及びNOAはYOG開催期間中、自国で対話型プログラムを計画する。
4. 	NOC及びNOAは、YOG経験者の主導のもとYOGスポーツ大使プログラムを開発する。
5. 	YOCOGは、アスリートがリーダシップの役割を担えるようトレーニングを行い、OVEPが各競技大会のCEPに含まれる優先的／強制的な要素となるよう努める。
6. 	YOGOCは、既に開発された他国の教育プログラムCEPに組み入れる。
7. 	YOGOCは、YOGにおいてNOAが設立されていない国のための入門的なワークショップを行う。
8. 	YOCOGは、競技大会の教育・文化プログラムにコーチや役員を参加させる戦略を考案し、NOC及びNOAがこの経験と専門知識を大会後の国内プログラムに活用しているか精査する。
9. 	IOCは、各ユースオリンピック競技大会の文化・教育プログラムによる学習成果の概要を公表する。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h2><strong> </strong></h2>
<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
</a></h4>
<h3>ジーン・サットン博士</h3>
<h4><strong><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self">翻訳・要約：和田　恵子</a><br />
</strong></h4>
<h3><strong> </strong></h3>
<p>〔第10回NOA理事者セッション（2009年5月6～13日）ギリシャ、オリンピアにおける故ジーン・サットン博士の講演〕</p>
<p><strong>はじめに</strong></p>
<p>本稿では、ユースオリンピック競技大会(YOG)において国内オリンピック委員会(NOC)と国内オリンピック・アカデミー（NOA)が果たす役割、YOGに課せられた任務と組織の概要及び大会のスポーツ、教育、文化の各プログラム、YOG、NOC、NOAそれぞれの目標、戦略的方向性、課題を比較し概説する。最後に、NOC及びYOGに対するNOAの役割の拡大について提案を行いたい。</p>
<p><strong><span style="color: #008000;">1．世界の若者をオリンピック・ムーブメントに関わらせる</span></strong></p>
<p><strong>（1）ユースオリンピック競技大会(YOG)</strong><br />
ユースオリンピック競技大会の開催は、オリンピック憲章に掲げられたIOCの使命、すなわち「オリンピズムを世界中に広め、オリンピック・ムーブメントを指導すること」に応える絶好の機会であることは間違いない。<br />
ジャック・ロゲIOC会長は次のように語っている「ユースオリンピック競技大会の創設は、今日と未来の若者に対するIOCのコミットメントが言葉だけに終わることなく実行されようとしていること、そして、オリンピック競技大会の精神に基づき、若者独自のイベントが若者自身の手によって提供されようとしていることを示している。YOGは、若きアスリートたちの健康を守るべく慎重に選ばれた競技種目による、まさに若者のための革新的な競技大会となるのみならず、聖火リレーや賛歌、旗といったオリンピック・シンボルにより、若者達を奮い立たせる大会となるだろう」</p>
<p>IOCは各国のオリンピック委員会がオリンピック競技大会と全く同じ役割を果たすことを義務付けている。IOCは、全205の国内オリンピック委員会から選ばれた3500名のアスリート及び役員がYOGのスポーツ、文化、教育プログラムに参加することを保証し、YOGにおける普遍性の原則の実現を図る。また、オリンピック同様、年齢区分及び資格基準をはじめとする競技の技術面は国際競技連盟（IF）が担当する。</p>
<p>オリンピック競技大会との大きな違いは、YOGには教育及び文化的な活動が含まれることであろう。IOCは、若者の身体活動やスポーツへの参加が世界的なレベルで減少するのに伴い、オリンピック・ムーブメントへの若者の関与も減少していると見ている。YOGはしたがって、今日の若者のニーズに対応し、次世代のオリンピックファンの関心を引きつけるような構成となっている。</p>
<p>この目的に向けて、2010年ユースオリンピック競技大会(YOG)では、オリンピズムやその関連する価値に若いアスリート達に関心を持たせようと、楽しい様々な文化・教育プログラム（CEP）を組む。著名なオリンピック･チャンピオンや、スポーツ、教育、文化の各分野から国際的な専門家や世界レベルの著名人らによってワークショップが催される。CEPはまた、出身コミュニティのスポーツ大使としてのYOGの選手たちの役割を検討するとともに、健康的なライフスタイルがもたらす恩恵やドーピングとの闘いといった重要課題への意識を喚起する。YOGシンガポール2010では文化プログラムとして、会場とインターネット上で若者が音楽や映画、アートを楽しむ都市型ストリート文化フェスティバルが開催される。このフェスティバルはYOG組織委員会が行うが、カナダ・オリンピック委員会など、いくつかのNOCでは、それぞれ既存の文化・教育プログラムの内容に関してシンガポールYOGOCから助言を求められている。こういった内外のリソースを活用する努力は、障壁を取り除いた国際協力の精神へのコミットメントを実証するものである。</p>
<p><strong>（2）共通の目的</strong><br />
YOG、各国NOC、NOAの方向性には多くの類似点が見られる。YOGのビジョン、すなわち世界中の若者にスポーツへの参加とオリンピックの価値への理解を喚起すること、そしてYOGの指名、すなわち若者が出身コミュニティにおいて積極的な役割を果たすよう教育し、関心をもたせ、働きかけることは、3つの組織がその共通の目的の実現のために協力を促す上で論理的根拠を備えている。</p>
<p>YOGの目的は、世界の若者が集うことで多様な文化を共に経験し、祝い、世界中のコミュニティに呼びかけ、スポーツへの関心と参加を喚起することにある。多くのNOCでは、若者のオリンピック・ムーブメントへの関与を促し、身体活動の減少に対応している。YOGの活動と、NOCやNOAの教育プログラムを関連付けることは、すべての若者にスポーツへの参加を促す可能性を秘めている。そのようなプログラムの例として、カナダ・オリンピック委員会のNOC公認アスリート（Adopt-An-Athlete）プログラムや、エストニアNOAのスクール・オリンピック競技大会（School Olympic Games）、オーストラリアのピエール・ド・クーベルタン賞制度、及び多くの国々で実施されているオリンピックデーランが挙げられる。ユースオリンピック競技大会のスポーツ、文化、教育活動をモデルとして新たな学校プログラムを計画することが可能である。</p>
<p><span style="color: #008000;"><strong>2.達成に向けた課題</strong></span></p>
<p>YOGOCとNOAが共有しているのは目標だけではない。課題も共有している。一つには、従来型のスポーツに特化されたイベントに重要な教育の要素を加えることである。この課題は、興味深く刺激的な学習活動の取り組みを創造することにある。現代の若者を動かすには、テクノロジーを活用した対話型の教育方法を取り入れなければならない。NOCは、YOGワークショップやフォーラムにアスリートが進んで参加し、何かを学んでこられるよう準備をさせなくてはならない。YOGは、参加者がIOCオリンピック・バリュー教育プロジェクト(OVEP)を学び、OVEPプログラムのツールキットを活用して地元で指導的役割を果たすための絶好の機会を提供する。NOAもまた、効果の高い教育活動をYOGOCに提示することで重要な役割を果たすことができる。</p>
<p>第二の課題は、オリンピック・ムーブメントの価値を、成果主義の制度や成果重視の環境の中に関連づけることである。表彰台に立つという卓越性とオリンピックの価値の実践という2つのコミットメントの二元性は、IOCとNOC双方が表彰台とオリンピックの価値を両立させる必要性を示している。</p>
<p>課題はほかにもある。資金調達は大きな懸案事項である。多くのNOCは、YOGにチームを派遣するための財政支援を準備するために四苦八苦している。経済危機のなか、スポンサー契約を確保することは難しい。北半球の国々にとっての大きな問題は、2010年YOGのタイミングだ。YOG期間中は学校が学期外で、活発な学校プログラムと連携しにくい。そのため初開催のYOGにおいてCEP(文化・教育プログラム)に基づくコミュニケーションは限定され、 NOCとNOAがYOGで果たせる役割は明確でない。</p>
<p><strong><span style="color: #008000;">3.新たな機会</span></strong></p>
<p>YOGプログラムに文化・教育活動を含めることにより、参加アスリートがオリンピズムの考え方を理解し、オリンピック教育を経験する機会を得る。オリンピック競技大会における従来のスポーツプログラムは、選手村の環境を活用した教育・文化活動の機会を逸していた。多くのオリンピック・アスリートがオリンピズムの本当の意味を理解したのは、オリンピック競技大会以外の時期や場所だったという。</p>
<p>YOGは、大会期間中は選手村で過ごすことをアスリートに要求することをはじめ、オリンピズムの理解を含めて競技大会経験を最大限に生かすことを目指す。成果と卓越性に重点を置くが、記録は残さない。アスリートは他の競技について学び、他の競技や外国の仲間と友情を築く機会を持つ。YOGは文化・教育プログラムを強制とするのではなく、魅力あるものにするほうを選んだ。一部の教育・文化活動にはアスリート以外の若者が参加し、オリンピック・ムーブメントの一翼を担うには選り抜きのアスリートである必要はないことを示す。YOG輸送システムは、資格認定を受けた全員に共通のシャトルサービスを提供し、アスリートとそれ以外の人たちを区別しない。</p>
<p><span style="color: #008000;"><strong>4.YOGの約束を最大活用する</strong></span></p>
<p>NOCは、大会前、大会中、大会後の３つの段階でYOG参加アスリートと緊密に連携し、競技会場の内外で最適なオリンピック経験が可能となるよう準備を整えるための機会を広げなくてはならない。</p>
<p><strong>（1）大会前</strong><br />
大会前、NOCとNOAは協力してYOGアスリートのためのオリエンテーション･セッションを開発すべきである。開発に当たっては、オリンピック・ムーブメントの歴史、オリンピックの価値、ドーピング、社会的責任、スポーツキャリアなどYOG教育ワークショップが示すトピックの紹介をセッションに含める。セッションは対話型とし、アスリートに「話す」「聴く」「討議する」といったコミュニケーション・スキルを身につける機会を提供する。リーダーシップ・トレーニングのほか、言語などの文化的な障壁を克服したり異なる習慣を尊重するための戦略も必要となるだろう。競技大会参加を前に、国が異なるアスリートどうしの交流を図るため、アスリートの所属する学校間で姉妹校関係を結ぶことも考えられる。YOGに参加するアスリートには、大会前にブログを開設して大会中も更新するよう働きかける。NOCやNOAは、必要であればブログ開設を手助けし、IOCのブログ･ガイドラインをアスリートに学ばせる。</p>
<p><strong>（2）大会期間中</strong><br />
NOCとNOAは大会が始まったら、多くの関心が集まるようアスリートが自分のメッセージを発信したり、現地でどんな経験をしているかについて出身国に報告する。ただし、アスリートに負担をかけないような仕組み、ガイダンス、サポートをNOC･NOAは提供しなくてはならない。YOG開催中は、競技そのものと出身コミュニティとの関わりとのバランスを取る必要があることを念頭に置くことが大切だ。したがって、アスリートが利用している媒体を通じて接触を図り、話をすることが望ましい。アスリートはブログを通して個別にコミュニケーションをとることができる。YOGアスリートのブログを各NOCのウェブサイトで紹介することも一案だ。大会期間中、参加者たちもまた会場のインターネットセンターに設置された電子通信機器を使って出身コミュニティと自分たちの経験を共有することが可能になる。</p>
<p>現代のアスリートたちは、電子メール、ブログ、ソーシャルネットワークなどを自由に使いこなしてはいるが、NOAやNOCは本人が作ったコンテンツをサポートすることが望ましい。YOGユースレポーターには、そうしたサポート役を担ってもらうこともできるだろう。また、IOCが定めるブログ・ガイドラインを順守させる役目も果たすことができる。外部と対話型で進むワークショップは、選手村の垣根を超えて若者を参加させる。NOCとNOAは、大会期間中ネットワーク上にアカデミー・プログラムを開設したり、対話型の教育フォーラムを開催したりすることができる。<br />
205のNOCのうち、国内オリンピック・アカデミーがあるのは137だけである。活発なNOAのある国は、NOAを持たない国からアスリート、コーチ、役員が参加できるようなアカデミーを設立するためのワークショップを主導すれば、これもまたYOG教育プログラムとなる。ワークショップに参加すれば、アカデミー・プログラムを始めるための指導力と知識を地元に持ち帰ることができる。</p>
<p><strong>（3）競技大会後</strong><br />
IOCは、オリンピック競技大会が若い世代との関係を維持する必要性を認識しており、若年者向けプロジェクトの開発・実施するうえで強い指導力を示している。こうしたプロジェクトには、夏季・冬季のユースオリンピック競技大会、オリンピック・バリュー教育プロジェクト(OVEP)、スポーツ経験を共有するための若者専用ウェブサイト、国内オリンピック委員会オリンピックデーランに対する支援の強化などがある。NOCとNOAはこうした取り組みに資金を提供し、オリンピック・ムーブメント及びオリンピックの価値に対する意識の向上に若者を従事させている取組みを支援すべきである。</p>
<p>卓越性、尊重、友愛といったオリンピックの価値、またスポーツへの道徳的な取り組み方を学んだ新世代の若きアスリート・リーダーたちは、YOGのレガシーとなる。そんなYOGアスリートたちは、学校や若者グループに対し、活動的で健康的なライフスタイルを取り入れ、オリンピック精神を守るよう働きかける上で優れたロールモデルとなる。各NOC及びNOAは、教育プログラムの実施状況を監督し、YOGで若者を教育する際に、IOCが始めたこのYOGという投資を利用できる。こうしたプログラムは、YOG参加者が率先して競技大会の参加者以外にも広げていくべきである。</p>
<p><span style="color: #008000;"><strong>5.結論と提案</strong></span></p>
<p>ユースオリンピック(YOG)の大会前、期間中、大会後にNOCとNOAが果たす役割は極めて大きい。ユースオリンピック競技大会組織委員会（YOGOC）、NOC及びNOAはすべて、ユースオリンピック競技大会という絶好の機会に、若者にオリンピック・ムーブメントを理解させるための教育・文化プログラムを展開すべきである。</p>
<p>YOGOC、NOC及びNOAが強力な関係を築くために以下を提案したい。</p>
<p>1.	NOC及びNOAは競技大会前、教育・文化プログラムに基づきYOGアスリートの教育にあたって積極的な役割を担い、アスリートが競技の内外で可能な限り最高の経験をするよう努める。<br />
2.	NOC及びNOAは共同で、YOGアスリートを対象にした事前のオリエンテーションを計画・実施する。NOAは教育・文化プログラムの分野で経験と専門知識を持っており、指導的役割を担うことができる。<br />
3. 	NOC及びNOAはYOG開催期間中、自国で対話型プログラムを計画する。<br />
4. 	NOC及びNOAは、YOG経験者の主導のもとYOGスポーツ大使プログラムを開発する。<br />
5. 	YOCOGは、アスリートがリーダシップの役割を担えるようトレーニングを行い、OVEPが各競技大会のCEPに含まれる優先的／強制的な要素となるよう努める。<br />
6. 	YOGOCは、既に開発された他国の教育プログラムCEPに組み入れる。<br />
7. 	YOGOCは、YOGにおいてNOAが設立されていない国のための入門的なワークショップを行う。<br />
8. 	YOCOGは、競技大会の教育・文化プログラムにコーチや役員を参加させる戦略を考案し、NOC及びNOAがこの経験と専門知識を大会後の国内プログラムに活用しているか精査する。<br />
9. 	IOCは、各ユースオリンピック競技大会の文化・教育プログラムによる学習成果の概要を公表する。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>バンクーバー・オリンピック大会を通したメープルリーフへの誇り</title>
		<link>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=340</link>
		<comments>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=340#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 17:41:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第6号]]></category>

		<category><![CDATA[第6号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[
執筆：山本真由美（世界アンチ・ドーピング機構：WADA）
バンクーバー・オリンピックの総括
2010年バンクーバー・オリンピック大会は、グルジア代表のルージュの選手がテストランで死亡するという悲劇に始まり、雪が降らないサイプラス・マウンテンを例にとりイギリスの全国紙に「史上最悪の大会だ」と揶揄されながらも (Guardian, 2010.2.15)、最後はカナダの男子アイスホッケー・チームがアメリカを延長戦で破り劇的な勝利を飾り、大会の幕が閉じられた。バンクーバー大会最後の歴史的な勝利にカナダ全土が酔いしれたことは、カナダの人々の歓喜、カナダのメディアを通して当然のことながら感じられることであった。バンクーバー・オリンピックは「カナダの成功」として語られているが、その成功は、ハイパフォーマンス・プログラムである &#8220;Own the Podium Program(以下OTP)&#8221;、カナダ・オリンピック・チーム、カナダのスポーツ・システム、そして連邦政府のスポーツに対する評価、今後の政策的・戦略的方向性を決定付けたといえる。
カナダは14 個の金メダルを含む26個のメダルを獲得。金メダル14個は冬季オリンピック史上最多である。バンクーバーは2003年7月2日のIOC総会で第21回冬季オリンピック・パラリンピック大会開催権を獲得、その後短期間でパフォーマンス・システムを確立し、4年間で総額CAN$1億1700万をOTPに投資した。その継続が大会前から問われるなか、3月4日（木）の連邦政府予算発表にて、2年間で$4,400万の投資が確約される。バンクーバー大会終了により政府と民間資金が枯渇するため、OTP は大会開催前より年間CAN$2,800万の投資を要求しており、要求額より減額となっているが、連邦政府予算が大幅に削減された2010年度予算を考慮に入れると、格段な予算配分となった。
「カナダのゴールデン・ゲーム」：国家としての勝利
バンクーバー・オリンピックを総括すると、「カナダの国家としての勝利」であった、という見方が強い（注1) 。それは次の点におけるダブル勝利として集約されるだろう。
1．	カナダの代表チームのパフォーマンス：エクセレンス
2．	バンクーバー・オリンピック大会の成功：積極的なアイデンティティー形成
本大会における誇るべき最高のパフォーマンスが、カナダ人自身のアイデンティティーの再構築を促し自己意識を変革し、それらが相乗効果を生み出し、バンクーバー・オリンピックの成功に導いたと見ていいだろう。
隣接国家であるアメリカ合衆国の存在があるカナダは、常に主義主張をせず控え目で「いいやつ」でいることがその特徴として考えられ、カナダ人自身も受け入れていたと一般的に考えられている。スポーツのフィールドでは、「参加することに意義がある」という意識や態度と、なぜかもたらされたメダルに対してその価値を公に語らない文化があるとされていた。しかし、&#8221;No More Mr. Canadian Nice Guy&#8221;として可能性を極限まで求め勝利を欲し、カナダ人がカナダ人の成功を喜びとして共有し、そして世界に対してカナダの象徴である「メープルリーフ（国旗）」が掲げられることに対して誇りを持つことの意義を「我々の大会」で再発見 (re-discover) したという報道が多かった（注2） 。それは、自国開催のオリンピック（1976年モントリオール大会、1984年カルガリー大会）で一度も金メダルを獲得したことのなかったカナダが、大会3日目にフリースタイル・モーグルでアレックス・ビロドー (Alexandre Bilodeau) による初の金メダル獲得で弾みがつき、フィギュアのショートプログラムの1日前に母親を亡くしたジョアニー・ロシェット (Joannie Rochette) の素晴らしい滑りに人々が感動し、終盤におけるメダル・ラッシュに続く最終日の男子アイス・ホッケーの金メダルによって、カナダとしてのプライドが絶頂に達した。これが一般的な人々のバンクーバー・オリンピックに対する見方であると思う。このカナダの国家としての成功については、バンクーバー大会組織委員会(VANOC)の組織委員長であるジョン・ファーロング(John Farlong)による閉会式のスピーチで明らかであった。ファーロングは、「今夜カナダ人はより強く、より統合され、我々の国家をより愛し、よりお互いの結びつきを強くしたと感じているだろう&#8230;国を愛するという美しい想いがカナダ全土で旋風を巻き起こした」とし、アスリートが自身の可能性を最大限に発揮しようとするスポーツの精神を知り、世界の舞台での勝利を感じたことで「過去とは違う現在のカナダ」が生まれたことを知ってほしいと述べた。
一方で、「過去のカナダ人意識」を改革するためのプロジェクトの代表が、&#8221;Own the Podium&#8221; プログラムであったといえる。OTPはバンクーバー・オリンピック大会で最大のメダル獲得数を得るという目標を明確にしたハイパフォーマンスの戦略プログラムである。大会前はカナダ代表のパフォーマンスに対する期待と不安の声がかなり挙げられただけでなく、世界のスポーツ勢力を尻目にカナダが「表彰台を占拠する」といった捉えられ方がされ、OTPは「カナダ人らしからぬ (un-Canadian like)」、「傲慢(arrogant)」、「非現実的(unrealistic)」だとして揶揄、批判された。筆者は世界のハイパフォーマンス・プログラムについてある程度の知識を持つが、これほどまでに一般の人々がOwn the Podiumという言葉を知り、その是非について語ったプログラムを知らない。ちなみに、大会期間中を通してOTPへのサポートは90%超であった。本プログラムを立ち上げたCEOは、大望を抱きカナダとして目指すべき目標を「大々的なステートメント(bold statement)」として、Own the Podiumが創設されたと強調する。このプログラムは大会期間中、そして大会後もシンボリックに取り上げられ、スポーツのコンテキストだけでなく、カナダの経済やビジネスモデル、そして個々の成長のための教育や様々な文化プログラムとして応用されるべき国家としての成長モデルとして語られている。
一般市民の誇り 
&#8220;Go Canada Go&#8221; があらゆるところで掲げられ、また道端で叫ばれ、カナダのオフィシャル・ユニフォームを身にまとった一般市民がバンクーバー市内では溢れていた。また、バンクーバーだけでなく、カナダ全土で「カナダ人であることを誇りに思う」と公に述べること自体へ驚きと、喜びを共有している場面に何度も直面した。通常ケベックとしてのアイデンティティーが強いモントリオールにおいても、それは同じであった。バンクーバー・オリンピックは、一般市民がカナダの国家として自信と誇りを得た絶好の機会であったことは間違いでないだろう。
（注1）
例えば、全国紙のThe Globe and Mailは &#8220;Canada&#8217;s golden Games&#8221; (2010.2.28)、National Postは&#8221;Gold-medal nation&#8221; (2010.3.1)とした論説を展開。
（注2）
例えば、The Globe and Mailは&#8221;NEW PATRIOT LOVE&#8221;というヘッドラインで、カナダ全土のお祭り的感覚と喜びに直面し、「国を得た感覚だ」とした (2010.2.27)。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：山本真由美（世界アンチ・ドーピング機構：WADA）</a></h4>
<p><strong>バンクーバー・オリンピックの総括</strong></p>
<p><strong></strong>2010年バンクーバー・オリンピック大会は、グルジア代表のルージュの選手がテストランで死亡するという悲劇に始まり、雪が降らないサイプラス・マウンテンを例にとりイギリスの全国紙に「史上最悪の大会だ」と揶揄されながらも (Guardian, 2010.2.15)、最後はカナダの男子アイスホッケー・チームがアメリカを延長戦で破り劇的な勝利を飾り、大会の幕が閉じられた。バンクーバー大会最後の歴史的な勝利にカナダ全土が酔いしれたことは、カナダの人々の歓喜、カナダのメディアを通して当然のことながら感じられることであった。バンクーバー・オリンピックは「カナダの成功」として語られているが、その成功は、ハイパフォーマンス・プログラムである &#8220;Own the Podium Program(以下OTP)&#8221;、カナダ・オリンピック・チーム、カナダのスポーツ・システム、そして連邦政府のスポーツに対する評価、今後の政策的・戦略的方向性を決定付けたといえる。</p>
<p>カナダは14 個の金メダルを含む26個のメダルを獲得。金メダル14個は冬季オリンピック史上最多である。バンクーバーは2003年7月2日のIOC総会で第21回冬季オリンピック・パラリンピック大会開催権を獲得、その後短期間でパフォーマンス・システムを確立し、4年間で総額CAN$1億1700万をOTPに投資した。その継続が大会前から問われるなか、3月4日（木）の連邦政府予算発表にて、2年間で$4,400万の投資が確約される。バンクーバー大会終了により政府と民間資金が枯渇するため、OTP は大会開催前より年間CAN$2,800万の投資を要求しており、要求額より減額となっているが、連邦政府予算が大幅に削減された2010年度予算を考慮に入れると、格段な予算配分となった。</p>
<p><strong>「カナダのゴールデン・ゲーム」：国家としての勝利</strong></p>
<p>バンクーバー・オリンピックを総括すると、「カナダの国家としての勝利」であった、という見方が強い<span style="color: #339966;">（注1)</span> 。それは次の点におけるダブル勝利として集約されるだろう。</p>
<p>1．	カナダの代表チームのパフォーマンス：エクセレンス<br />
2．	バンクーバー・オリンピック大会の成功：積極的なアイデンティティー形成</p>
<p>本大会における誇るべき最高のパフォーマンスが、カナダ人自身のアイデンティティーの再構築を促し自己意識を変革し、それらが相乗効果を生み出し、バンクーバー・オリンピックの成功に導いたと見ていいだろう。</p>
<div id="attachment_341" class="wp-caption alignright" style="width: 235px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_1_1.jpg"><img class="size-medium wp-image-341" title="6_1_1" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_1_1-225x300.jpg" alt="" width="225" height="300" /></a><p class="wp-caption-text">カナダの国旗「メープルリーフ」</p></div>
<p>隣接国家であるアメリカ合衆国の存在があるカナダは、常に主義主張をせず控え目で「いいやつ」でいることがその特徴として考えられ、カナダ人自身も受け入れていたと一般的に考えられている。スポーツのフィールドでは、「参加することに意義がある」という意識や態度と、なぜかもたらされたメダルに対してその価値を公に語らない文化があるとされていた。しかし、&#8221;No More Mr. Canadian Nice Guy&#8221;として可能性を極限まで求め勝利を欲し、カナダ人がカナダ人の成功を喜びとして共有し、そして世界に対してカナダの象徴である「メープルリーフ（国旗）」が掲げられることに対して誇りを持つことの意義を「我々の大会」で再発見 (re-discover) したという報道が多かった<span style="color: #339966;">（注2）</span> 。それは、自国開催のオリンピック（1976年モントリオール大会、1984年カルガリー大会）で一度も金メダルを獲得したことのなかったカナダが、大会3日目にフリースタイル・モーグルでアレックス・ビロドー (Alexandre Bilodeau) による初の金メダル獲得で弾みがつき、フィギュアのショートプログラムの1日前に母親を亡くしたジョアニー・ロシェット (Joannie Rochette) の素晴らしい滑りに人々が感動し、終盤におけるメダル・ラッシュに続く最終日の男子アイス・ホッケーの金メダルによって、カナダとしてのプライドが絶頂に達した。これが一般的な人々のバンクーバー・オリンピックに対する見方であると思う。このカナダの国家としての成功については、バンクーバー大会組織委員会(VANOC)の組織委員長であるジョン・ファーロング(John Farlong)による閉会式のスピーチで明らかであった。ファーロングは、「今夜カナダ人はより強く、より統合され、我々の国家をより愛し、よりお互いの結びつきを強くしたと感じているだろう&#8230;国を愛するという美しい想いがカナダ全土で旋風を巻き起こした」とし、アスリートが自身の可能性を最大限に発揮しようとするスポーツの精神を知り、世界の舞台での勝利を感じたことで「過去とは違う現在のカナダ」が生まれたことを知ってほしいと述べた。</p>
<p>一方で、「過去のカナダ人意識」を改革するためのプロジェクトの代表が、&#8221;Own the Podium&#8221; プログラムであったといえる。OTPはバンクーバー・オリンピック大会で最大のメダル獲得数を得るという目標を明確にしたハイパフォーマンスの戦略プログラムである。大会前はカナダ代表のパフォーマンスに対する期待と不安の声がかなり挙げられただけでなく、世界のスポーツ勢力を尻目にカナダが「表彰台を占拠する」といった捉えられ方がされ、OTPは「カナダ人らしからぬ (un-Canadian like)」、「傲慢(arrogant)」、「非現実的(unrealistic)」だとして揶揄、批判された。筆者は世界のハイパフォーマンス・プログラムについてある程度の知識を持つが、これほどまでに一般の人々がOwn the Podiumという言葉を知り、その是非について語ったプログラムを知らない。ちなみに、大会期間中を通してOTPへのサポートは90%超であった。本プログラムを立ち上げたCEOは、大望を抱きカナダとして目指すべき目標を「大々的なステートメント(bold statement)」として、Own the Podiumが創設されたと強調する。このプログラムは大会期間中、そして大会後もシンボリックに取り上げられ、スポーツのコンテキストだけでなく、カナダの経済やビジネスモデル、そして個々の成長のための教育や様々な文化プログラムとして応用されるべき国家としての成長モデルとして語られている。</p>
<p><strong>一般市民の誇り </strong></p>
<p>&#8220;Go Canada Go&#8221; があらゆるところで掲げられ、また道端で叫ばれ、カナダのオフィシャル・ユニフォームを身にまとった一般市民がバンクーバー市内では溢れていた。また、バンクーバーだけでなく、カナダ全土で「カナダ人であることを誇りに思う」と公に述べること自体へ驚きと、喜びを共有している場面に何度も直面した。通常ケベックとしてのアイデンティティーが強いモントリオールにおいても、それは同じであった。バンクーバー・オリンピックは、一般市民がカナダの国家として自信と誇りを得た絶好の機会であったことは間違いでないだろう。</p>
<div id="attachment_343" class="wp-caption alignright" style="width: 310px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_1_2.jpg"><img class="size-medium wp-image-343" title="6_1_2" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_1_2-300x225.jpg" alt="バスに点灯表示された&quot;GO CANADA GO&quot;" width="300" height="225" /></a><p class="wp-caption-text">バスに点灯表示された&quot;GO CANADA GO&quot;</p></div>
<p><strong><span style="color: #339966;">（注1）</span><br />
<span style="color: #000000; font-weight: normal;">例えば、全国紙のThe Globe and Mailは &#8220;Canada&#8217;s golden Games&#8221; (2010.2.28)、National Postは&#8221;Gold-medal nation&#8221; (2010.3.1)とした論説を展開。</span></strong></p>
<p><span style="color: #339966; "><strong>（注2）<br />
<span style="color: #000000; font-weight: normal; ">例えば、The Globe and Mailは&#8221;NEW PATRIOT LOVE&#8221;というヘッドラインで、カナダ全土のお祭り的感覚と喜びに直面し、「国を得た感覚だ」とした (2010.2.27)。</span></strong></span></p>
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		</item>
		<item>
		<title>オリンピックは教育の場であり人間力を高める場である</title>
		<link>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=331</link>
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		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 17:29:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第6号]]></category>

		<category><![CDATA[第6号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[
執筆：山本尚子（ライター）
－「オリンピック」とは本来、オリンピック運動のことであって、オリンピック大会のみをさすものではない。
こういった認識が、いつしか私の中で、「真のオリンピック運動とオリンピック大会とは乖離しているものだ」という図式をつくりあげていたように思います。
今回、私は日本代表選手団の本部員として、24日間、バンクーバーの選手村に滞在し、働く機会を得ました。日本選手団の団長は、（財）日本スケート連盟の会長でもある橋本聖子氏。副団長は笠谷幸生氏、総監督は鈴木惠一氏という顔ぶれでした。笠谷副団長はウィスラーの選手村に滞在されていたので、直接、お話をする機会はあまりありませんでしたが、橋本団長や鈴木総監督のお話を間近で聞く機会に恵まれました。
お二人のそばで過ごすうちに、オリンピック大会というのはオリンピック・ムーブメントにとってもやはり最高の機会なのだと、自分の勘違いを改めるに至りました。
人間力の向上なくして競技力の向上はあり得ない
お二人がことあるごとに選手に語りかけていた言葉をご紹介しましょう。
「オリンピックは教育の場であり、人間力を高める場でもある。人間力の向上なくして競技力の向上はあり得ない」。（橋本団長）
つまり、「オリンピアンはただ強ければいいんだということはなく、スポーツで世界の頂点を目指していく姿勢に注目が集まり、日本中の人々に勇気や夢を与える存在であるからこそ、それを自覚して、競技力とともに人間力を高め、広く社会に明るい希望を与えていってもらいたい」というメッセージでした。
「メダルは取ってからこそが大事」というお話もされていました。獲得した達成感で立ち止まってしまうのではなく、その後の過ごし方でメダルの色が輝いたり、鈍ったりもする。自分のその後の人生において、社会貢献はもちろんのこと、メダルに恥ずかしくない過ごし方をしていってほしいということでした。
余談になりますが、加藤条治選手が銅メダルを獲得したあとに本部に挨拶に来てくれました。その際に、ボランティアのNOCアシスタントさんたちの求めに応じ、気さくにメダルを触らせてくれたのですが、「僕だけのメダルじゃないんで是非どうぞ」とサラッと発したその一言がとても心に残っています。
行動規範を遵守する
鈴木総監督は、「行動規範の遵守」をよく口にされていました。
『日本代表選手団ハンドブック』には、「日本代表選手としての規範」、いわゆる行動規範が書かれています。規範の６項目目には、オリンピック・ムーブメントについても明記されています。今大会中、シャツのすそ出し事件で大騒ぎになったこともあり、「行動規範の遵守徹底」を呼びかけるリリースがあらためて配布されました。


「選手は日本を代表する公人である。その自覚と責任を持って、競技力を発揮するだけでなく、日本代表選手団の一員としてのモラル、ルール、エチケットを守ってほしい」という行動規範は、やはり人間力の向上につながっていくものです。
チームジャパンの一員であるという自覚を持つ
もう一つ、お二人が強調されていたのは、「チームジャパンの一員として、一つのチームになること」でした。
個人種目でも、異競技であっても、「チームジャパン」の一員であるという意識・連帯感を持つ。誰かがうまくいかなかったら、誰かがカバーする。昨年５月と６月に、冬季競技の日本代表候補選手と強化スタッフが一堂に介したカンファレンスが行われたのですが、そこで生まれた一体感も、今大会でしっかり機能していたように感じられました。
自分の頭で考える
橋本団長も鈴木総監督もトップアスリートとして輝かしいキャリアを持っていらっしゃいます。そのお二人が口をそろえたのが、「スポーツ選手は自分の頭で考える能力がないとダメ。そのためにも本を読み、学び、知識を広げる努力をしてほしい」ということでした。
初めて、オリンピック大会のど真ん中で毎日を過ごしてみて、トップアスリートの集う大会だからこそ広く発信できるオリンピック運動がここにあるんだと感じました。笠谷副団長も含めた日本代表選手団のトップのお三方が発し続けたこれらのメッセージは、今大会のオリンピアンたちの心に響いたと思いますし、彼らがまた子どもたちに夢や希望を与える存在として、オリンピック・ムーブメントを体現していってくれると信じています。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：山本尚子（ライター）</a></h4>
<p>－「オリンピック」とは本来、オリンピック運動のことであって、オリンピック大会のみをさすものではない。</p>
<p>こういった認識が、いつしか私の中で、「真のオリンピック運動とオリンピック大会とは乖離しているものだ」という図式をつくりあげていたように思います。</p>
<p>今回、私は日本代表選手団の本部員として、24日間、バンクーバーの選手村に滞在し、働く機会を得ました。日本選手団の団長は、（財）日本スケート連盟の会長でもある橋本聖子氏。副団長は笠谷幸生氏、総監督は鈴木惠一氏という顔ぶれでした。笠谷副団長はウィスラーの選手村に滞在されていたので、直接、お話をする機会はあまりありませんでしたが、橋本団長や鈴木総監督のお話を間近で聞く機会に恵まれました。</p>
<p>お二人のそばで過ごすうちに、オリンピック大会というのはオリンピック・ムーブメントにとってもやはり最高の機会なのだと、自分の勘違いを改めるに至りました。</p>
<div id="attachment_333" class="wp-caption alignright" style="width: 234px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_2_1.jpg"><img class="size-medium wp-image-333" title="6_2_1" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_2_1-224x300.jpg" alt="今大会のディプロマ（参加証）" width="224" height="300" /></a><p class="wp-caption-text">今大会のディプロマ（参加証）</p></div>
<p><strong>人間力の向上なくして競技力の向上はあり得ない</strong></p>
<p>お二人がことあるごとに選手に語りかけていた言葉をご紹介しましょう。</p>
<p>「オリンピックは教育の場であり、人間力を高める場でもある。人間力の向上なくして競技力の向上はあり得ない」。（橋本団長）</p>
<p>つまり、「オリンピアンはただ強ければいいんだということはなく、スポーツで世界の頂点を目指していく姿勢に注目が集まり、日本中の人々に勇気や夢を与える存在であるからこそ、それを自覚して、競技力とともに人間力を高め、広く社会に明るい希望を与えていってもらいたい」というメッセージでした。</p>
<p>「メダルは取ってからこそが大事」というお話もされていました。獲得した達成感で立ち止まってしまうのではなく、その後の過ごし方でメダルの色が輝いたり、鈍ったりもする。自分のその後の人生において、社会貢献はもちろんのこと、メダルに恥ずかしくない過ごし方をしていってほしいということでした。</p>
<p>余談になりますが、加藤条治選手が銅メダルを獲得したあとに本部に挨拶に来てくれました。その際に、ボランティアのNOCアシスタントさんたちの求めに応じ、気さくにメダルを触らせてくれたのですが、「僕だけのメダルじゃないんで是非どうぞ」とサラッと発したその一言がとても心に残っています。</p>
<p><strong>行動規範を遵守する</strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal; ">鈴木総監督は、「行動規範の遵守」をよく口にされていました。</span></strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal; ">『日本代表選手団ハンドブック』には、「日本代表選手としての規範」、いわゆる行動規範が書かれています。規範の６項目目には、オリンピック・ムーブメントについても明記されています。今大会中、シャツのすそ出し事件で大騒ぎになったこともあり、「行動規範の遵守徹底」を呼びかけるリリースがあらためて配布されました。</span></strong></p>
<p><strong></strong></p>
<p><strong></strong></p>
<div id="attachment_335" class="wp-caption alignright" style="width: 310px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_2_21.jpg"><img class="size-medium wp-image-335" title="6_2_21" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_2_21-300x224.jpg" alt="日本代表選手団を支えてくれたNOCアシスタントの皆さんと（筆者は前列左端の白いユニフォーム姿）" width="300" height="224" /></a><p class="wp-caption-text">日本代表選手団を支えてくれたNOCアシスタントの皆さんと（筆者は前列左端の白いユニフォーム姿）</p></div>
<p><strong><span style="font-weight: normal; ">「選手は日本を代表する公人である。その自覚と責任を持って、競技力を発揮するだけでなく、日本代表選手団の一員としてのモラル、ルール、エチケットを守ってほしい」という行動規範は、やはり人間力の向上につながっていくものです。</span></strong></p>
<p><strong>チームジャパンの一員であるという自覚を持つ</strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal; "><strong><span style="font-weight: normal; ">もう一つ、お二人が強調されていたのは、「チームジャパンの一員として、一つのチームになること」でした。</span></strong></span></strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal; "><strong><span style="font-weight: normal; ">個人種目でも、異競技であっても、「チームジャパン」の一員であるという意識・連帯感を持つ。誰かがうまくいかなかったら、誰かがカバーする。昨年５月と６月に、冬季競技の日本代表候補選手と強化スタッフが一堂に介したカンファレンスが行われたのですが、そこで生まれた一体感も、今大会でしっかり機能していたように感じられました。</span></strong></span></strong></p>
<p><strong><strong>自分の頭で考える</strong></strong></p>
<p><strong><span style="font-weight: normal; "><strong><span style="font-weight: normal; ">橋本団長も鈴木総監督もトップアスリートとして輝かしいキャリアを持っていらっしゃいます。そのお二人が口をそろえたのが、「スポーツ選手は自分の頭で考える能力がないとダメ。そのためにも本を読み、学び、知識を広げる努力をしてほしい」ということでした。</span></strong></span></strong></p>
<div id="attachment_337" class="wp-caption alignright" style="width: 310px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_2_3.jpg"><img class="size-medium wp-image-337" title="6_2_3" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_2_3-300x224.jpg" alt="ロゲIOC会長もサインした「オリンピック停戦を願う壁」" width="300" height="224" /></a><p class="wp-caption-text">ロゲIOC会長もサインした「オリンピック停戦を願う壁」</p></div>
<p><strong><span style="font-weight: normal; "><strong><span style="font-weight: normal; ">初めて、オリンピック大会のど真ん中で毎日を過ごしてみて、トップアスリートの集う大会だからこそ広く発信できるオリンピック運動がここにあるんだと感じました。笠谷副団長も含めた日本代表選手団のトップのお三方が発し続けたこれらのメッセージは、今大会のオリンピアンたちの心に響いたと思いますし、彼らがまた子どもたちに夢や希望を与える存在として、オリンピック・ムーブメントを体現していってくれると信じています。</span></strong></span></strong></p>
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		<item>
		<title>カナダにおけるオリンピック・レガシー</title>
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		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 17:20:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第6号]]></category>

		<category><![CDATA[第6号記事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=327</guid>
		<description><![CDATA[Honouring the Past, Inspiring the Future


執筆：荒牧亜衣（目白大学短期大学部）
バンクーバーオリンピックが開幕した2月12日の朝8時、ロリー・フォックスが聖火リレーのランナーとして登場した。カナダの英雄、テリー・フォックスの父親である。そして、彼の母親、ベティ・フォックスが五輪旗を持って紹介されたとき、開会式会場にはひときわ大きな歓声が上がった。
テリー・フォックスは、サイモンフレーザー大学体育学部1年生の時、骨肉腫を発症し、右足を切断した。手術から3年後の1980年、彼はがんに対する意識向上とがん研究支援を訴え、カナダ横断を目指して走り始める。&#8221;Marathon of Hope&#8221;と名づけられたこの挑戦はやがて注目を集め、テレビ報道を通じてカナダ全土に知れわたり、カナダ中の人々が彼を応援した。
テリー･フォックスはゴールであったバンクーバーにたどりつくことはできなかった。走り始めてから4ヵ月後、肺への転移が見つかり入院、22才でこの世を去ったのだ。しかし、彼の挑戦は、現在もカナダの人々の心に強く残っている。最終聖火ランナーを務めた1人であるNBAのスター選手、スティーブ･ナッシュは聖火リレーに参加した際、テリー・フォックスについてコメントを残している。
&#8220;When someone runs across the country with one leg, it posed a lot of question for a six-years-old. It was a very educational experience for me, and an inspiring one as well.&#8221;
The globe and Mail, Friday, Feb 12, 2010
彼もカナダの英雄であるが、テリー・フォックスは彼にとって英雄なのだ。1981年以来、がん研究資金を募るチャリティーイベント&#8221;Terry Fox Run&#8221;は、毎年世界中で開催され、5億ドル以上が集まったといわれている。
テリー･フォックスの功績は、開会式会場となったBC Placeに併設されているBC Sports Hall of Fame &#38; Museumで詳しく知ることができる。このミュージアムでは、ブリテッィシュ・コロンビアにおけるスポーツの歴史や活動についてだけでなく、オリンピックに関する展示も数多く見ることができる。テリー･フォックスはカナダの英雄として称えられ、彼の死後もカナダの人々に大きな勇気を与え続けていることが紹介されていた。
VANOCは、大会期間中である2月27日に、今大会に出場した全選手の中から、&#8221;Vancouver [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3><strong><span lang="EN-US">Honouring the Past, Inspiring the Future</span></strong></h3>
<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
</a></h4>
<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self">執筆：荒牧亜衣（目白大学短期大学部）</a></h4>
<p><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"></a><span style="font-weight: normal; "><span>バンクーバーオリンピックが開幕した2月12日の朝8時、ロリー・フォックスが聖火リレーのランナーとして登場した。カナダの英雄、テリー・フォックスの父親である。そして、彼の母親、ベティ・フォックスが五輪旗を持って紹介されたとき、開会式会場にはひときわ大きな歓声が上がった。</span></span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "><span>テリー・フォックスは、サイモンフレーザー大学体育学部1年生の時、骨肉腫を発症し、右足を切断した。手術から3年後の1980年、彼はがんに対する意識向上とがん研究支援を訴え、カナダ横断を目指して走り始める。&#8221;Marathon of Hope&#8221;と名づけられたこの挑戦はやがて注目を集め、テレビ報道を通じてカナダ全土に知れわたり、カナダ中の人々が彼を応援した。</span></span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "><span>テリー･フォックスはゴールであったバンクーバーにたどりつくことはできなかった。走り始めてから4ヵ月後、肺への転移が見つかり入院、22才でこの世を去ったのだ。しかし、彼の挑戦は、現在もカナダの人々の心に強く残っている。最終聖火ランナーを務めた1人であるNBAのスター選手、スティーブ･ナッシュは聖火リレーに参加した際、テリー・フォックスについてコメントを残している。</span></span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "><span>&#8220;When someone runs across the country with one leg, it posed a lot of question for a six-years-old. It was a very educational experience for me, and an inspiring one as well.&#8221;</span></span></p>
<p style="text-align: right;"><span style="font-weight: normal; "><span><em>The globe and Mail, Friday, Feb 12, 2010</em></span></span></p>
<p style="text-align: left; "><span style="font-weight: normal; "><em><span style="font-style: normal; ">彼もカナダの英雄であるが、テリー・フォックスは彼にとって英雄なのだ。1981年以来、がん研究資金を募るチャリティーイベント&#8221;Terry Fox Run&#8221;は、毎年世界中で開催され、5億ドル以上が集まったといわれている。</span></em></span></p>
<p style="text-align: left; "><span style="font-weight: normal; "><em><span style="font-style: normal; ">テリー･フォックスの功績は、開会式会場となったBC Placeに併設されているBC Sports Hall of Fame &amp; Museumで詳しく知ることができる。このミュージアムでは、ブリテッィシュ・コロンビアにおけるスポーツの歴史や活動についてだけでなく、オリンピックに関する展示も数多く見ることができる。テリー･フォックスはカナダの英雄として称えられ、彼の死後もカナダの人々に大きな勇気を与え続けていることが紹介されていた。</span></em></span></p>
<p style="text-align: left; "><span style="font-weight: normal; "><em><span style="font-style: normal; ">VANOCは、大会期間中である2月27日に、今大会に出場した全選手の中から、&#8221;Vancouver 2010 Terry Fox Award&#8221;を選出した。この賞は、痛みや障害を克服して、世界を感銘させた選手に贈られるもので、フィギュアスケートのジョアニー・ロシェット(カナダ)、ノルディック距離女子のぺトラ・マジッチ(スロベニア)の2人の銅メダリストが受賞している。</span></em></span></p>
<p style="text-align: left; "><span style="font-weight: normal; "><em><span style="font-style: normal; ">近年、オリンピックを招致するには、オリンピック・レガシーに配慮した計画の立案が求められている。レガシーが特に重視されるようになったのは、2000年シドニー大会前後の頃といわれるが、1988年カルガリー大会の招致段階においても既に、競技施設を「レガシーとして残す」計画を立てていた形跡がIOC総会の議事録に残っている。スキージャンプやボブスレーの会場となった場所は、現在はCanada Olympic Parkとして幅広い世代に利用されている。さまざまなウィンタースポーツを体験できるだけでなく、季節に応じて、子どもたちを対象としたキャンプも開催している。</span></em></span></p>
<p style="text-align: left; "><span style="font-weight: normal; "><em><span style="font-style: normal; ">パーク内の施設の名称には「オリンピック」の冠が付けられ、オリンピック会場であったことが強くアピールされており、訪れる誰もがカルガリーでオリンピックが開催された歴史的事実を認識できる。たとえば、Olympic Hall of Fame &amp; Museumにおける展示は、カルガリー大会に関する展示にとどまらず、カナダのオリンピック参加の歴史やオリンピックについての知識も得ることができる。カルガリー大会のレガシーといえるこのミュージアムは、カナダのオリンピック・ムーブメントに対する理解をうながすであろう。</span></em></span></p>
<p style="text-align: left; "><span style="font-weight: normal; "><em><span style="font-style: normal; ">ミュージアムは、オリンピックの記憶を蓄積・視覚化し、次世代へのメッセージを発信することで、オリンピック・ムーブメントの一翼を担うことができる。</span></em></span></p>
<p style="text-align: left; ">
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>「IOCスポーツ科学教育研究プロジェクト」の紹介</title>
		<link>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=319</link>
		<comments>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=319#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 17:15:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第6号]]></category>

		<category><![CDATA[第6号記事]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=319</guid>
		<description><![CDATA[
執筆：渡部和彦（広島大学名誉教授）
バンクーバーオリンピックは、多くの感動を人々に与えて終了しました。我が国はじめ各国選手の活躍は、最新の撮影技術を駆使した臨場感あふれるTV画面から迫力ある映像として提供されました。長く記憶に残ることでしょう。
ここでは、長野オリンピック（1998年）からスタートした、「IOCスポーツ科学教育研究プロジェクト」について、このプロジェクトの経緯と最近の活動について簡単に紹介し、関係の皆様方のご理解とご協力をいただければと思います。
IOC医事委員会はドーピング検査の元締めの委員会として有名ですが、ほかにも、「IOC医事委員会バイオメカニクス＆スポーツ生理学専門委員会」の研究プロジェクトがあります（1984年ロス五輪から）。これは、オリンピック参加選手を怪我や障害から守り、最高のプレイができるための科学的資料を得ることなどがその目的です。このプロジェクトは、冬季オリンピックも含め継続して行われました（シドニーオリンピックまで）。長野オリンピックでは、7種目9研究課題について、世界各国のバイオメカニクスの専門家チームによってそれぞれの競技会場にカメラを入れて実施されました（フリースタイルスキー、スピードスケート、ショートトラック、アルペンスキー、スキージャンプなど）。筆者（渡部和彦）は、NAOC代表としてこの研究プロジェクト全体のお世話をしました。
さて、長野オリンピックでは、この研究プロジェクトとは別に、「スポーツ科学教育研究プロジェクト」を立ち上げました。この研究プロジェクトの目的は、オリンピックを見に来る子供たちをはじめ、一般参加者、市民を対象に、オリンピックというスポーツ界最大のイベントに因んで、最新のスポーツ科学の知見をできるだけ分かりやすい形で、広く伝達・普及しようとするものです。オリンピックの競技を見る人が、単に勝ち負けではなく、すぐれた競技選手のプレイに対して、より深い理解が得られると考えました。また、オリンピック会場に来られない人々にもスポーツやスポーツ科学の素晴らしさについて理解していただき、また日常の健康や障害予防等に関する知識についても理解を深めていただきたいとの思いから行われました。
このような考えを具体化する方法に悩んでいたとき、ヒントを与えてくれたものがあります。それは、リレハンメル大会のスキージャンプ会場に設置された大型の電光掲示板が目に入った時のことです。実は、前述の「バイオメカニクス＆スポーツ生理学専門委員会」の研究プロジェクトの準備のため、筆者は、リレハンメル（1994）とアトランタ（1996）のオリンピック大会に行き、全ての競技会場を訪問し研究関連の事前調査を行いました。リレハンメル大会では、スキージャンプ会場に設置された大型の電光掲示板には、たまたま冬をモチーフにしたシンプルな静止画像が提示されていました。この掲示板を使って選手の技術のすばらしさや、なぜこの選手が金メダルで他の選手が銀や銅メダルかなど、合理的な説明ができれば、選手たちの努力が報われると共に会場の観戦者にとっても意義深く、楽しいのではと考えました。
このような考えを長野オリンピックの際に実現してみたいと考え、IOC医事委員会委員長（IOC副会長）のプリンスメロード（Prince de Merode）氏に提案することにしました。アトランタオリンピックの期間中、米国のネルソン教授に励まされ、マリオット・マルキュースホテルのＩＯＣの執務室に呼ばれ、二人だけの会談で説明を聞いていただき、アドバイスもいただくことができました。そこで、IOC医事委員会のプロジェクトの一つに位置付けていただくことができました。
長野オリンピックでは、電光掲示板ではなく、効果的なパネルとビデオの形式で、「スポーツ科学教育研究プロジェクト」をスタートさせることができました。
ビデオとパネルによるスポーツ科学関係の紹介は、一般参加者、市民、児童・生徒に供覧されました。展示場所は、アクアウィング（アイスホッケー会場）、長野市役所、長野市内の小・中学校4校を巡回（大会期間中）。県内の小学校406校、中学校196校のすべてに、教育委員会を通じてビデオを無料で送付しました。アンケート調査の実施。
ビデオは、次の7つの課題について編集・制作されました。
①スキージャンプの科学、②クロスカントリースキーの科学、③ボブスレー・リュージュの科学、④アルペンスキーの科学、⑤スピードスケートの科学/スノーボードの科学/バイアスロンの科学
パネルは、28の課題について各課題1枚ずつ2組制作されました。展示会場は、エムウエーブ（スピードスケート会場）、長野市内の小中学校4校を巡回（大会期間中）。アンケート調査研究の実施。学校では、大学院学生が子供たちに対して、内容に関する解説を行いました。パネル内容について、28枚の内、3例ほど以下に紹介いたします。
（例）
①「なぜＶ字飛行は遠くまで飛ぶのか（渡部和彦：広島大学）」
②「ドーピングってなに？（鈴木紅、太田美穂、武藤芳照：東京大学）」
③「スポーツ競技選手の筋肉の特徴（石井直方：東京大学）」等など。
解説の要約は、英語記述。
最近の取り組み：プリンスメロード氏とは、その後シドニーオリンピックの際にもお会いし、励ましていただきました。残念ながら氏はその後病気で亡くなられましたが、我々は、プリンスメロード氏のご支援に報い、そのご遺志の継承として、国際的な展開を試みることにしました。その一つは、多言語による「スポーツ科学・健康教育情報」の発信です。まずは、アジア地域の子供たちに、インターネットを活用したスポーツ科学・健康教育に関する良質な情報提
供をしようと考えました。長野で用いたパネルの画像をカラー画像で接写し、留学生などの協力で、説明文を日本語から、英語、ロシア語、タイ語、韓国語、中国語へと翻訳作業を行い、国際学会（アジア運動スポーツ科学会議：ACESS）のＨＰから、その一部を各国言語にアクセスして、容易に引き出せるところまできました。
今後は、新しく動画なども加えたいと考えています。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：渡部和彦（広島大学名誉教授）</a></h4>
<p>バンクーバーオリンピックは、多くの感動を人々に与えて終了しました。我が国はじめ各国選手の活躍は、最新の撮影技術を駆使した臨場感あふれるTV画面から迫力ある映像として提供されました。長く記憶に残ることでしょう。</p>
<p>ここでは、長野オリンピック（1998年）からスタートした、「IOCスポーツ科学教育研究プロジェクト」について、このプロジェクトの経緯と最近の活動について簡単に紹介し、関係の皆様方のご理解とご協力をいただければと思います。</p>
<p>IOC医事委員会はドーピング検査の元締めの委員会として有名ですが、ほかにも、「IOC医事委員会バイオメカニクス＆スポーツ生理学専門委員会」の研究プロジェクトがあります（1984年ロス五輪から）。これは、オリンピック参加選手を怪我や障害から守り、最高のプレイができるための科学的資料を得ることなどがその目的です。このプロジェクトは、冬季オリンピックも含め継続して行われました（シドニーオリンピックまで）。長野オリンピックでは、7種目9研究課題について、世界各国のバイオメカニクスの専門家チームによってそれぞれの競技会場にカメラを入れて実施されました（フリースタイルスキー、スピードスケート、ショートトラック、アルペンスキー、スキージャンプなど）。筆者（渡部和彦）は、NAOC代表としてこの研究プロジェクト全体のお世話をしました。</p>
<p>さて、長野オリンピックでは、この研究プロジェクトとは別に、「スポーツ科学教育研究プロジェクト」を立ち上げました。この研究プロジェクトの目的は、オリンピックを見に来る子供たちをはじめ、一般参加者、市民を対象に、オリンピックというスポーツ界最大のイベントに因んで、最新のスポーツ科学の知見をできるだけ分かりやすい形で、広く伝達・普及しようとするものです。オリンピックの競技を見る人が、単に勝ち負けではなく、すぐれた競技選手のプレイに対して、より深い理解が得られると考えました。また、オリンピック会場に来られない人々にもスポーツやスポーツ科学の素晴らしさについて理解していただき、また日常の健康や障害予防等に関する知識についても理解を深めていただきたいとの思いから行われました。</p>
<p>このような考えを具体化する方法に悩んでいたとき、ヒントを与えてくれたものがあります。それは、リレハンメル大会のスキージャンプ会場に設置された大型の電光掲示板が目に入った時のことです。実は、前述の「バイオメカニクス＆スポーツ生理学専門委員会」の研究プロジェクトの準備のため、筆者は、リレハンメル（1994）とアトランタ（1996）のオリンピック大会に行き、全ての競技会場を訪問し研究関連の事前調査を行いました。リレハンメル大会では、スキージャンプ会場に設置された大型の電光掲示板には、たまたま冬をモチーフにしたシンプルな静止画像が提示されていました。この掲示板を使って選手の技術のすばらしさや、なぜこの選手が金メダルで他の選手が銀や銅メダルかなど、合理的な説明ができれば、選手たちの努力が報われると共に会場の観戦者にとっても意義深く、楽しいのではと考えました。<br />
このような考えを長野オリンピックの際に実現してみたいと考え、IOC医事委員会委員長（IOC副会長）のプリンスメロード（Prince de Merode）氏に提案することにしました。アトランタオリンピックの期間中、米国のネルソン教授に励まされ、マリオット・マルキュースホテルのＩＯＣの執務室に呼ばれ、二人だけの会談で説明を聞いていただき、アドバイスもいただくことができました。そこで、IOC医事委員会のプロジェクトの一つに位置付けていただくことができました。</p>
<p>長野オリンピックでは、電光掲示板ではなく、効果的なパネルとビデオの形式で、<strong>「スポーツ科学教育研究プロジェクト」</strong>をスタートさせることができました。</p>
<p>ビデオとパネルによるスポーツ科学関係の紹介は、一般参加者、市民、児童・生徒に供覧されました。展示場所は、アクアウィング（アイスホッケー会場）、長野市役所、長野市内の小・中学校4校を巡回（大会期間中）。県内の小学校406校、中学校196校のすべてに、教育委員会を通じてビデオを無料で送付しました。アンケート調査の実施。</p>
<p><strong>ビデオ</strong>は、次の7つの課題について編集・制作されました。<br />
①スキージャンプの科学、②クロスカントリースキーの科学、③ボブスレー・リュージュの科学、④アルペンスキーの科学、⑤スピードスケートの科学/スノーボードの科学/バイアスロンの科学</p>
<p><strong>パネル</strong>は、28の課題について各課題1枚ずつ2組制作されました。展示会場は、エムウエーブ（スピードスケート会場）、長野市内の小中学校4校を巡回（大会期間中）。アンケート調査研究の実施。学校では、大学院学生が子供たちに対して、内容に関する解説を行いました。パネル内容について、28枚の内、3例ほど以下に紹介いたします。</p>
<div id="attachment_320" class="wp-caption alignright" style="width: 310px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_4_1.jpg"><img class="size-medium wp-image-320" title="6_4_1" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_4_1-300x208.jpg" alt="パネルを見る子どもたち －長野市内小学校にて－" width="300" height="208" /></a><p class="wp-caption-text">パネルを見る子どもたち －長野市内小学校にて－</p></div>
<p>（例）<br />
①「なぜＶ字飛行は遠くまで飛ぶのか（渡部和彦：広島大学）」<br />
②「ドーピングってなに？（鈴木紅、太田美穂、武藤芳照：東京大学）」<br />
③「スポーツ競技選手の筋肉の特徴（石井直方：東京大学）」等など。<br />
解説の要約は、英語記述。</p>
<p><strong>最近の取り組み</strong>：プリンスメロード氏とは、その後シドニーオリンピックの際にもお会いし、励ましていただきました。残念ながら氏はその後病気で亡くなられましたが、我々は、プリンスメロード氏のご支援に報い、そのご遺志の継承として、国際的な展開を試みることにしました。その一つは、多言語による「スポーツ科学・健康教育情報」の発信です。まずは、アジア地域の子供たちに、インターネットを活用したスポーツ科学・健康教育に関する良質な情報提</p>
<p>供をしようと考えました。長野で用いたパネルの画像をカラー画像で接写し、留学生などの協力で、説明文を日本語から、英語、ロシア語、タイ語、韓国語、中国語へと翻訳作業を行い、国際学会（アジア運動スポーツ科学会議：ACESS）のＨＰから、その一部を各国言語にアクセスして、容易に引き出せるところまできました。</p>
<p>今後は、新しく動画なども加えたいと考えています。</p>
<div id="attachment_324" class="wp-caption alignleft" style="width: 213px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_4_2.jpg"><img class="size-medium wp-image-324" title="6_4_2" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_4_2-203x300.jpg" alt="パネル展示の風景 －エムウエーブにて－" width="203" height="300" /></a><p class="wp-caption-text">パネル展示の風景 －エムウエーブにて－</p></div>
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		<item>
		<title>バンクーバー２０１０パラリンピック冬季競技大会概要</title>
		<link>http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?p=315</link>
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		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 17:03:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第6号]]></category>

		<category><![CDATA[第6号記事]]></category>

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		<description><![CDATA[
執筆：仲前信治（日本パラリンピック委員会）
 2月28日に閉幕するオリンピックに引き続き、カナダ・バンクーバーでは本年3月12日から21日の10日間、冬季パラリンピックが開催されます。本大会は、国際パラリンピック委員会（IPC）及び現地組織委員会（VANOC）が運営主体となり行われる障害者スポーツ最高峰の大会であり、過去最多の43以上の国・地域から、選手約600名の参加が見込まれています。アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイススレッジホッケー、車いすカーリングの5競技が実施され、日本からは、約100名（選手45名、役員55名）の選手団が全競技に出場します（車いすカーリングは初出場）。
冬季パラリンピックは1976年にスウェーデン・エンシェルツヴィークで開催した大会が第1回大会とされ、1998年には長野においてわが国初の冬季パラリンピックが開催されています。日本選手団は1980年の第2回大会（ノルウェー・ヤイロ）から正式参加し、前回のトリノ大会では9個のメダルを獲得、今回の大会はそれ以上の成績が期待されています。
パラリンピックの各競技は障害の特性を考慮し、一般の競技規則を一部変更して行われます。選手は障害の種別（カテゴリー）や程度により「クラス」分けされ、クラスに基づいて競技を行います（パラリンピック出場には、クラス分けの国際認定が必要）。クラス分けは公平な競技環境整備につながる一方で、オリンピックに比べ多数のメダル種目が実施されることになります。パラリンピックの種目数の削減はＩＰＣが取り組む事項の一つとされています。
【アルペンスキー、クロスカントリー、バイアスロン】
種目数削減の取り組みの中で、これらの競技はクラス毎ではなく、立位、座位、視覚障害のカテゴリー毎に実施されています。選手の成績はカテゴリー毎に、実際にコースを走るのに要した「実走タイム」にクラス毎に設定された「係数」を掛けて算出する「計算タイム」により決定します（バイアスロンはさらに、射撃の失敗数をタイム加算して計算タイムを求めます）。パラリンピックの競技会場では「計測タイム」で記録が表示されるので、観客にも競技の様子がわかりやすくなっています。なお、視覚障害カテゴリーでは、声や音でコース誘導する「ガイド」が選手と共に滑ることが認められています。
アルペンスキーでは、板やストックなどの競技用具は基本的には一般と同じものを使用しますが、片足を切断している選手などは1本のスキーで滑走するため、ストックの替わりに「アウトリガー」と呼ばれる専用ストック（ポールの先端に小さなスキー板を付けたストック）を使用します。また、車いす使用者などの選手が出場する座位カテゴリーの選手は、シートとサスペンションを装着した軽量フレームに1本のスキー板を着けた「チェアスキー」に乗り滑走します。ストックは、ポールの短いアウトリガーを使用します。
クロスカントリースキーは、立位、視覚障害カテゴリーの選手は一般競技と同様にクラシカル走法、フリー走法それぞれの種目で競技を行います。座位カテゴリーの選手は、2本のクロスカントリー用スキー板の上に、座るための装置を取り付けた「シットスキー」と短めのストックを用いて競技を行います。
バイアスロンは、一般競技同様にクロスカントリースキーと射撃を組み合わせて行いますが、射撃には、一般競技とは異なりエアライフルやビームライフル（視覚障害選手）を使用し、銃を背負っての走行は行いません。ビームライフルの射撃には、電子音で標的の位置を知らせる音式スコープ（的に近づくと音が高音、離れると低音に変化）が使われます。
【アイススレッジホッケー】
 「氷上の格闘技」とよばれるにふさわしい激しいコンタクトや、華麗な組織プレーで観衆を魅了する、冬季競技の花形として人気が高い競技です。脊髄損傷や切断などの下肢障害のある選手が、「スレッジ」とよばれるホッケー専用に開発されたソリに乗って行うアイスホッケーです。選手たちは、末端に「アイスピック（刃）」が取り付けられた2本のスティックを巧みに操り、スレッジを滑走させながらパックを相手ゴールに運びます。今大会より、女性選手をプレーヤーに含めることが認められました。
【車いすカーリング】
車いす使用者が行うカーリングで、2006年のトリノパラリンピックから正式競技となりました。1チーム4名で構成されますが、少なくとも1名は女子選手を含めることが義務付けられています。一般のカーリングと違い、デリバリー（投球）は助走なし・静止状態で行います。その際、車いすを固定するためチームメイトが後方から車いすを押さえることが認められています。また、スウィーピング（ブラシで掃くこと）が禁止されていますので、より正確な投球技術や緻密な戦術が求められます。
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
執筆：仲前信治（日本パラリンピック委員会）</a></h4>
<p><span style="font-weight: normal; "> 2月28日に閉幕するオリンピックに引き続き、カナダ・バンクーバーでは本年3月12日から21日の10日間、冬季パラリンピックが開催されます。本大会は、国際パラリンピック委員会（IPC）及び現地組織委員会（VANOC）が運営主体となり行われる障害者スポーツ最高峰の大会であり、過去最多の43以上の国・地域から、選手約600名の参加が見込まれています。アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイススレッジホッケー、車いすカーリングの5競技が実施され、日本からは、約100名（選手45名、役員55名）の選手団が全競技に出場します（車いすカーリングは初出場）。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">冬季パラリンピックは1976年にスウェーデン・エンシェルツヴィークで開催した大会が第1回大会とされ、1998年には長野においてわが国初の冬季パラリンピックが開催されています。日本選手団は1980年の第2回大会（ノルウェー・ヤイロ）から正式参加し、前回のトリノ大会では9個のメダルを獲得、今回の大会はそれ以上の成績が期待されています。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">パラリンピックの各競技は障害の特性を考慮し、一般の競技規則を一部変更して行われます。選手は障害の種別（カテゴリー）や程度により「クラス」分けされ、クラスに基づいて競技を行います（パラリンピック出場には、クラス分けの国際認定が必要）。クラス分けは公平な競技環境整備につながる一方で、オリンピックに比べ多数のメダル種目が実施されることになります。パラリンピックの種目数の削減はＩＰＣが取り組む事項の一つとされています。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "><strong>【アルペンスキー、クロスカントリー、バイアスロン】</strong></span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">種目数削減の取り組みの中で、これらの競技はクラス毎ではなく、立位、座位、視覚障害のカテゴリー毎に実施されています。選手の成績はカテゴリー毎に、実際にコースを走るのに要した「実走タイム」にクラス毎に設定された「係数」を掛けて算出する「計算タイム」により決定します（バイアスロンはさらに、射撃の失敗数をタイム加算して計算タイムを求めます）。パラリンピックの競技会場では「計測タイム」で記録が表示されるので、観客にも競技の様子がわかりやすくなっています。なお、視覚障害カテゴリーでは、声や音でコース誘導する「ガイド」が選手と共に滑ることが認められています。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">アルペンスキーでは、板やストックなどの競技用具は基本的には一般と同じものを使用しますが、片足を切断している選手などは1本のスキーで滑走するため、ストックの替わりに「アウトリガー」と呼ばれる専用ストック（ポールの先端に小さなスキー板を付けたストック）を使用します。また、車いす使用者などの選手が出場する座位カテゴリーの選手は、シートとサスペンションを装着した軽量フレームに1本のスキー板を着けた「チェアスキー」に乗り滑走します。ストックは、ポールの短いアウトリガーを使用します。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">クロスカントリースキーは、立位、視覚障害カテゴリーの選手は一般競技と同様にクラシカル走法、フリー走法それぞれの種目で競技を行います。座位カテゴリーの選手は、2本のクロスカントリー用スキー板の上に、座るための装置を取り付けた「シットスキー」と短めのストックを用いて競技を行います。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">バイアスロンは、一般競技同様にクロスカントリースキーと射撃を組み合わせて行いますが、射撃には、一般競技とは異なりエアライフルやビームライフル（視覚障害選手）を使用し、銃を背負っての走行は行いません。ビームライフルの射撃には、電子音で標的の位置を知らせる音式スコープ（的に近づくと音が高音、離れると低音に変化）が使われます。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "><strong>【アイススレッジホッケー】</strong></span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "> 「氷上の格闘技」とよばれるにふさわしい激しいコンタクトや、華麗な組織プレーで観衆を魅了する、冬季競技の花形として人気が高い競技です。脊髄損傷や切断などの下肢障害のある選手が、「スレッジ」とよばれるホッケー専用に開発されたソリに乗って行うアイスホッケーです。選手たちは、末端に「アイスピック（刃）」が取り付けられた2本のスティックを巧みに操り、スレッジを滑走させながらパックを相手ゴールに運びます。今大会より、女性選手をプレーヤーに含めることが認められました。</span></p>
<p><span style="font-weight: normal; "><strong>【車いすカーリング】</strong></span></p>
<p><span style="font-weight: normal; ">車いす使用者が行うカーリングで、2006年のトリノパラリンピックから正式競技となりました。1チーム4名で構成されますが、少なくとも1名は女子選手を含めることが義務付けられています。一般のカーリングと違い、デリバリー（投球）は助走なし・静止状態で行います。その際、車いすを固定するためチームメイトが後方から車いすを押さえることが認められています。また、スウィーピング（ブラシで掃くこと）が禁止されていますので、より正確な投球技術や緻密な戦術が求められます。</span></p>
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		<title>会員レポート　Vol.6_No.1</title>
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		<pubDate>Wed, 10 Mar 2010 16:56:19 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[第6号]]></category>

		<category><![CDATA[第6号会員レポート]]></category>

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		<description><![CDATA[2010年バンクーバー冬季オリンピック大会観戦記


執筆：舛本直文（首都大学東京）
2010年2月11日から14日まで4日間バンクーバーに滞在し、冬季オリンピック大会の前半の市内の様子や会場を見て回ったので、雑感を含めて報告してみたい。
「不平不満だらけの大会」
今回の大会の前半の印象を一言で述べると「不平不満だらけの冬季大会」ということになろう。アスリートにとっては、雪不足・悪天候への不満、リュージュ選手の死亡による高速コースへの不満など。観客には、案内を含めた会場運営の悪さへの不満、順延によるチケット対応への不満、常設聖火台設置位置への不満など。カナダの文化大臣には、開会式の内容のフランス色不足への不満など。市民には、オリンピックグッズ販売店の狭さ、長蛇の列のイベント会場など。ドーピング検査によって大会開始前までに30名の選手が失格になったというニュースはIOCにとっての不満であろう。苦労して入手した高いチケット、法外な価格の宿泊代、バス移動の運営のまずさ。そのようにしてまで観戦したオリンピック。訪れた世界各国の観客の目にはこの冬季大会がどのように映ったのであろうか？
私自身オリンピック研究者としての不満は、文化プログラムや教育プログラムなどの情報の不案内と、会場や街中のイベントに子どもたちの参加がほとんど見られないことである。これはバンクーバーの組織委員会（VANOC）が従来の慣習を捨て、「一校一国運動」を展開していないせいでもあろう。子ども達の姿は、見た限りではロブソンスクエアの仮設リンクにちびっ子アイスホッケーとして動員されていたくらいであろうか。これもアイスホッケーフリークのカナダ人らしさ故といったほうがよかろう。VANOCは、子ども達に対してオリンピックの祝祭性と平和･教育メッセージを伝える好機を失ったといえよう。また、1994年リレハンメル大会から続いてきた「草の根の平和と環境メッセージリレー」も今大会で実施されず、その良きムーブメントの流れが途絶えてしまった。ただ、オリンピック･オーバルがあるリッチモンド市の市役所で子どもたちの教育・文化・倫理プログラムの展示があったが、滞在が土日で市庁舎が閉館。これを視察できなかったのが、返す返すも残念であった。これは教育・平和運動プログラムに関する事前情報不足の結果でもあるが、良いプログラムに参加して欲しいというVANOCの意欲の欠如のせいかもしれない。さらに、各国のナショナル・ハウスに関しても情報不足であり、今回はジャパン・ハウス以外、どこも訪問することができなかった。また、オリンピック研究者仲間にも会うことができなかった。滞在費が高額になり、オリンピック研究者達も大会開催期間中の調査や研究を敬遠してきているようである。
「開会式のメッセージは？」
大会開始前、グルジアのリュージュの選手が練習中に死亡するという悲惨な事故があり、グルジア選手団は喪章をつけての行進。ロゲ会長も開会式で黒いネクタイ姿でスピーチし、この残念な事故に触れて哀悼の意を表していた。
夕方5時からスペクテイターリハーサルが始まったが、最近の開・閉会式セレモニーでは観客参加型の演出が多い。白いポンチョは照明演出の都合のため。今回の鳴り物はドラム型のボックス。ペンライトが2種類。小道具をうまく使わせて、光の一大ページェントにするのがお決まりの「演ずる観客」という演出である。
セレモニー開始前にバンギムン国連事務総長のオリンピック休戦メッセージが英仏2ヶ国語で流れたが、テレビの国際映像ではこれが放送されないのが残念な限りである。
開会式のショーはインプレッシブなものであったが、全体のストーリーとメッセージ性が良く分からなかったのが残念である。スノーボーダーがオリンピック・シンボルマークをくぐり抜ける最初のジャンプの演出は、スキーのジャンプと思っていたため、サプライズであった。全体の演出は、1998年長野大会の御柱、2000年シドニー大会のアボリジニとの和解、2002年ソルトレーク大会の開拓民の歴史、2006年トリノ大会の空中サーカスのパフォーマンス、2008年北京大会の発光ダイオードの活用など、なじみのものを組み合わせたような演出であったといえよう。
今回は初めての屋内の開会。聖火を最後にどのように扱うのか興味津々であった。聖火の最終点火者は4人であったが、1本の聖火の支柱が起き上がらなかったため、点火できなかった点火者がいた。観ているときには気がつかなかったが、その時にグレツキーが彼女に声をかけて一緒に点火すれば、もっと印象的になったかもしれない。それはともかくも、聖火は競技するアスリート達の目に届く範囲にあって欲しいものである。ウォーターフロントのフェンスに囲われたIBCの中に鎮座するのは、なんとも見世物主義的ではないか。しかも市民が聖火をバックに記念撮影すれば必ずフェンスが写ってしまうのである（写真）。
さて、今回の開会式の演出で平和と教育のメッセージがどれだけ盛り込まれ、それがどれだけ伝わったのか。ショーで盛り上げる以前にオリンピック像を再構築しなくてはならないであろう。今回のように30人もドーピング検査で失格になる選手がいるのは、やはりメダル至上主義のせいであり、それを容認する空気のある競技界とそれを煽るメディア界、それがさもスポーツの姿であるようにメディアによって刷り込まれている視聴者、という構図が強固に作り上げられているのかもしれない。ここに大きな問題が潜んでいるように思われる。
〔「都政新報」2010年2月26日より転載〕
]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3>2010年バンクーバー冬季オリンピック大会観戦記</h3>
<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self"><br />
</a></h4>
<h4><a title="著者紹介" href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/?page_id=22" target="_self">執筆：舛本直文（首都大学東京）</a></h4>
<p><span lang="EN-US">2010</span><span>年<span lang="EN-US">2</span>月<span lang="EN-US">11</span>日から<span lang="EN-US">14</span>日まで<span lang="EN-US">4</span>日間バンクーバーに滞在し、冬季オリンピック大会の前半の市内の様子や会場を見て回ったので、雑感を含めて報告してみたい。</span></p>
<p><span><strong>「</strong></span><strong>不平不満だらけの大会」</strong></p>
<p><strong></strong>今回の大会の前半の印象を一言で述べると「不平不満だらけの冬季大会」ということになろう。アスリートにとっては、雪不足・悪天候への不満、リュージュ選手の死亡による高速コースへの不満など。観客には、案内を含めた会場運営の悪さへの不満、順延によるチケット対応への不満、常設聖火台設置位置への不満など。カナダの文化大臣には、開会式の内容のフランス色不足への不満など。市民には、オリンピックグッズ販売店の狭さ、長蛇の列のイベント会場など。ドーピング検査によって大会開始前までに30名の選手が失格になったというニュースはIOCにとっての不満であろう。苦労して入手した高いチケット、法外な価格の宿泊代、バス移動の運営のまずさ。そのようにしてまで観戦したオリンピック。訪れた世界各国の観客の目にはこの冬季大会がどのように映ったのであろうか？</p>
<p>私自身オリンピック研究者としての不満は、文化プログラムや教育プログラムなどの情報の不案内と、会場や街中のイベントに子どもたちの参加がほとんど見られないことである。これはバンクーバーの組織委員会（VANOC）が従来の慣習を捨て、「一校一国運動」を展開していないせいでもあろう。子ども達の姿は、見た限りではロブソンスクエアの仮設リンクにちびっ子アイスホッケーとして動員されていたくらいであろうか。これもアイスホッケーフリークのカナダ人らしさ故といったほうがよかろう。VANOCは、子ども達に対してオリンピックの祝祭性と平和･教育メッセージを伝える好機を失ったといえよう。また、1994年リレハンメル大会から続いてきた「草の根の平和と環境メッセージリレー」も今大会で実施されず、その良きムーブメントの流れが途絶えてしまった。ただ、オリンピック･オーバルがあるリッチモンド市の市役所で子どもたちの教育・文化・倫理プログラムの展示があったが、滞在が土日で市庁舎が閉館。これを視察できなかったのが、返す返すも残念であった。これは教育・平和運動プログラムに関する事前情報不足の結果でもあるが、良いプログラムに参加して欲しいというVANOCの意欲の欠如のせいかもしれない。さらに、各国のナショナル・ハウスに関しても情報不足であり、今回はジャパン・ハウス以外、どこも訪問することができなかった。また、オリンピック研究者仲間にも会うことができなかった。滞在費が高額になり、オリンピック研究者達も大会開催期間中の調査や研究を敬遠してきているようである。</p>
<p><strong>「開会式のメッセージは？」</strong></p>
<p>大会開始前、グルジアのリュージュの選手が練習中に死亡するという悲惨な事故があり、グルジア選手団は喪章をつけての行進。ロゲ会長も開会式で黒いネクタイ姿でスピーチし、この残念な事故に触れて哀悼の意を表していた。</p>
<p>夕方5時からスペクテイターリハーサルが始まったが、最近の開・閉会式セレモニーでは観客参加型の演出が多い。白いポンチョは照明演出の都合のため。今回の鳴り物はドラム型のボックス。ペンライトが2種類。小道具をうまく使わせて、光の一大ページェントにするのがお決まりの「演ずる観客」という演出である。</p>
<p>セレモニー開始前にバンギムン国連事務総長のオリンピック休戦メッセージが英仏2ヶ国語で流れたが、テレビの国際映像ではこれが放送されないのが残念な限りである。</p>
<p>開会式のショーはインプレッシブなものであったが、全体のストーリーとメッセージ性が良く分からなかったのが残念である。スノーボーダーがオリンピック・シンボルマークをくぐり抜ける最初のジャンプの演出は、スキーのジャンプと思っていたため、サプライズであった。全体の演出は、1998年長野大会の御柱、2000年シドニー大会のアボリジニとの和解、2002年ソルトレーク大会の開拓民の歴史、2006年トリノ大会の空中サーカスのパフォーマンス、2008年北京大会の発光ダイオードの活用など、なじみのものを組み合わせたような演出であったといえよう。</p>
<p>今回は初めての屋内の開会。聖火を最後にどのように扱うのか興味津々であった。聖火の最終点火者は4人であったが、1本の聖火の支柱が起き上がらなかったため、点火できなかった点火者がいた。観ているときには気がつかなかったが、その時にグレツキーが彼女に声をかけて一緒に点火すれば、もっと印象的になったかもしれない。それはともかくも、聖火は競技するアスリート達の目に届く範囲にあって欲しいものである。ウォーターフロントのフェンスに囲われたIBCの中に鎮座するのは、なんとも見世物主義的ではないか。しかも市民が聖火をバックに記念撮影すれば必ずフェンスが写ってしまうのである（写真）。</p>
<div id="attachment_312" class="wp-caption alignright" style="width: 310px"><a href="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_m1_1.jpg"><img class="size-medium wp-image-312 " title="6_m1_1" src="http://www.olympic-academy.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2010/03/6_m1_1-300x226.jpg" alt="撮影すればフェンスも写る聖火" width="300" height="226" /></a><p class="wp-caption-text">撮影すればフェンスも写る聖火</p></div>
<p>さて、今回の開会式の演出で平和と教育のメッセージがどれだけ盛り込まれ、それがどれだけ伝わったのか。ショーで盛り上げる以前にオリンピック像を再構築しなくてはならないであろう。今回のように30人もドーピング検査で失格になる選手がいるのは、やはりメダル至上主義のせいであり、それを容認する空気のある競技界とそれを煽るメディア界、それがさもスポーツの姿であるようにメディアによって刷り込まれている視聴者、という構図が強固に作り上げられているのかもしれない。ここに大きな問題が潜んでいるように思われる。</p>
<p style="text-align: right;">〔「都政新報」2010年2月26日より転載〕</p>
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